薬剤師道一直線

この7月7日から北海道洞爺湖でサミット(先進国首脳会議)が行われる。サミットでは、地球温暖化対策を含めた環境問題が主要テーマの一つになると考えられる。「クールアース推進構想」をはじめ、議長国である日本が国際環境協力において果たす役割は大きい。また、日本人一人ひとりが環境問題について考え、行動することが大切である。
翻って、われわれ薬剤師を見た場合どうであろうか。薬剤師法第1条には「公衆衛生の向上および増進に寄与し……」とある。公衆衛生にはもちろん環境衛生も含まれる。つまり環境衛生の向上、ひいては地球環境の改善に寄与することが薬剤師の任務でもある。
薬剤師道を極めんとする者であれば、いや今回は地球人であれば、自分が住むこの地球を守るために何ができるかを考えてほしい。例えば、薬剤師が集まる会議や懇親会の席などで出される食事のときなど、環境を考えれば割り箸(ばし)ではなく、「マイ箸」を使うのが当然であろう。通勤には車ではなく自転車を使い、買い物にはエコバッグを持参する。もちろん、薬局の入り口前の打ち水は日課である。
しかし、本当に薬剤師としてやらなくてはいけないこと。それは、環境が健康に与える影響を市民、国民にわかりやすく説明し、理解してもらうことである。そして、その先頭に立つべきは、医師でも看護師でもなく、大学で水や空気、廃棄物など環境衛生について学んだ薬剤師なのである。これこそが町の科学者である薬剤師の責務である。
生まれ来る子供のため、子供たちの未来のため、薬剤師の果たす責任は大きい。医療薬学、臨床薬学と並ぶ「環境・公衆衛生薬学」の重要性は非常に大きい。保険点数が付かないからといって、「そんなのカンキョウねえ!」はもう古い。今月は環境月間である。
(結城 真吾)
- 薬剤師道一直線に進むべし
- 薬剤師の原点に立ち返るべし
- 「礼」と「間合い」を習得すべし
- 最後まで、気を抜くべからず
- 薬剤師、美学を持つべし
- 薬剤師たるもの体を鍛えるべし
- 顔に責任を持つべし
- 離れて物事を見るべし
- 「理想の上司」となるべく精進せよ
- 身近な人にまず認められよ
- ラストサムライの心意気を見せよ
- 肩書を捨て実力で勝負せよ
- 薬剤師たる覚悟を新たにせよ(後)
- 薬剤師たる覚悟を新たにせよ(前)
- 薬剤師に休息の時はなし
- 患者とともに歩め
- 分け隔てなく患者に接せよ
- いつも患者のそばに立つべし
- 非常時を想定し鍛錬せよ
- 10年後の自分を思い描け
- 最高責任者として行動せよ
- 環境問題を考え行動せよ
- プロに言い訳は禁物
- たかが挨拶と侮ることなかれ
- 日々の仕事こそ荒行と心得よ
- 初心忘るべからず
- 一日の計は掃除にあり
- 弟子を取ってこそ一人前
- 薬は奇しきものと心得よ
- 名を名乗る