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連載: クリニック事件簿
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「これは内部告発だ」 個別指導を受けた院長の確信
2018/ 8/ 8
A整形外科クリニックは、首都圏のベッドタウンに位置し、外傷を負った近所の子どもや慢性疾患の高齢者など、連日多数の患者で混雑する「街の整形外科」。開院から15年を迎え、さすがに初期からのスタッフは数人しか残っていないものの、院長の人柄もあって職員の定着率は高い数字を維持しています…
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姿を消した診療所事務長、巨額の横領が発覚
2018/ 4/11
医療法人立のAクリニックは、ある地方都市で開業した無床診療所です。院長は法人化の翌年、知人を事務長として招き、毎月の保険請求のほか現金や重要書類、法人印の管理、人事労務管理など、診療以外の全てを取り仕切ってもらうことにしました。その知人は自分で会社を経営し、そうした業務に慣れ…
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「無診察リハ」で2年分の診療報酬を自主返還
2018/ 1/10
A整形外科医院は、地方都市の旧市街地に現院長が約30年前に開業した無床診療所です。15年前に医療法人化し、A院長が理事長に就任しました。約80坪の院内は、中央の待合室を挟んで右側に受付事務室、診察室、処置室、レントゲン室が並び、左側に広いリハビリ室が配置。バリアフリーが徹底され、高…
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移転したのに開院できなかった院長の誤算
2017/10/ 4
医療法人A医院は、初代院長が30年前に現在地で個人開業し、5年前に法人化した無床診療所です。昨年から、診療は2代目院長中心の体制となり、70代後半となった初代院長は理事長として週2コマの外来診療のほか、30年来の患者数人の訪問診療を担い、代替わりに向けて着々と準備をしていました。…
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看板に偽り?「医療専門」事務所のずさんな対応
2017/ 5/17
今回ご紹介するA医院は、昭和の高度成長時代、首都圏近郊の中核市で初代院長が開業した外科系診療所だ。父親の後を継いだ現院長が20年ほど前に医療法人A会を設立し理事長に就任。非常勤の内科医として地域医療を志す子息のB医師に院長のバトンをつなぐべく、診療所建物の建て替えを計画していた。…
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院長の従兄妹から届いた5000万円の「払戻請求」
2016/10/26
医療法人社団M医院は、郊外のベッドタウンの駅近くに立地する内科診療所です。戦後の復興期に駅が作られ、その数年後に初代院長が開設してから既に60年以上が経過。2代目院長時代に法人化して、今は3代目院長が理事長として診療に当たっています。…
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投書箱に度々入る不審な手紙、その犯人は…
2016/ 1/ 5
クリニックの中には、患者さんの意見を率直に聞き、良い医療を提供するための手段の1つとして「意見箱」を設置しているところも少なくないと思う。ところが当院では患者さんのご意見ではなく、「スタッフのご意見」が入っていたという、なんとも情けないエピソードがある。まあ、聞いてやってくだ…
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名前の呼ばれ方に激高した患者が語った事情
2015/11/19
ガシャーン!! 怒声に続いて待合室に大きな音が響いたのは、午後の診療開始直後のことだった。院長のS医師が何事かと受付に駆けつけると、事務職員が床に座り込んで泣きそうになっている。受付カウンターの上にあったはずのトレーやパンフレット立ては散乱し、カウンターの向こうを見ると、数日前に…
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難航する医院承継、非医師の娘の高給がネックに
2015/10/13
このところ、団地やニュータウンの人口の高齢化が報じられることが多くなった。今回ご紹介するA医院(個人立)が立地する近畿地方のニュータウンでも、開発から長年が経過し住民の高齢化が懸念されていたが、最近は徐々に世代交代が進んでおり、医院にも若い世代の患者が来院するようになってきた。…
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高配当を信じ1000万円の投資被害に遭った院長
2015/ 9/ 8
「高配当を強調する金融投資の話にだまされてはいけない!」と分かっていても、知人の紹介や、業者、経営コンサルタントと称する人物の巧みな「洗脳術」で信頼しきってしまって、一般的にはあり得ない高配当の投資話に乗ってしまう事例は後を絶たない。今回は、診療所院長が経験した事例を通じて…
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「私が着服しました」と泣き崩れた受付職員
2015/ 8/12
今回ご紹介する関東近郊の皮膚科クリニックは、筆者の友人の税理士が税務会計顧問を務めている。院長から税理士に、受付の接遇研修の依頼があったのだが、研修の進め方やカリキュラムの作成に自信がないので同行して説明してほしいと頼まれ、筆者が赴くことになった。…
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「首の痛みが治らない」と1億5000万円を要求
2015/ 7/ 7
夜8時ごろ、突然電話が鳴った。コンサルティングをしているAクリニックの院長である。「たった今、患者さんの両親が来て、治療内容にクレームをつけられた。対処法を相談したいので、明日にでもクリニックに来てほしい」とのこと。交通事故の患者の治療内容に関するクレームだという。…
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長男の医院承継に母が難色、理由は「嫁」
2015/ 5/13
今回紹介するのは、地方都市の個人経営の診療所で勃発した事業承継トラブルのケースだ。院長には子どもが2人いて、長男は首都圏の私立大学の医学部、長女は地元の国立大学医学部を卒業していた。
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向精神薬の横流しで職員送検、管理不備が露呈
2015/ 4/ 8
Aクリニックは、看護師2人を含む職員6人に加え院長の妻が経理を取り仕切る、典型的な町のクリニックである。院長であるA医師は、廃業を考えていた医師を紹介されて承継開業した。開業当初は、引き継いだ職員と新たに採用した職員の間で軋轢が発生したこともあったが、それも終息。開業5年目を迎えた…