<質問>
私は小児がんを経験しました。今28歳で、妊娠を希望して18ヵ月になりますが、まだ子供ができず、とても落ち込んでいます。見通しを明るくもって、できれば妊娠したいのですが、どうしたらいいでしょうか。
<回答者>Leslie Schover氏
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Texas大学M.D. Anderson がんセンター行動科学教授 |
不妊治療の専門医を受診されたかどうか、ご質問から判断しかねました。この時点で必要なのは、専門医を受診して、卵巣で卵子がつくられているか検査を受け、不妊治療を受けたほうがよいかどうか判断してもらうことです。
米国の多くの州では不妊治療に保険が適用されませんが、がん治療を担当した医師にあなたの不妊ががんによるものであるというレターを書いてもらうと、保険適用が認められるケースもあるようです。がん経験者に経済的な支援を行っている団体もあります。非営利団体「Fertile Hope」のウェブサイトには情報が豊富に掲載されています。
妊娠が難しい場合は、養子縁組や(Yahoo.comには「Adoption-after-cancer(がん経験者の養子縁組)」というオンライングループがあり、がん経験者の養子縁組について豊富な情報を提供しています)、卵子提供を受けて子供を授かるという選択肢もあります。不妊は大きな喪失感をもたらす経験ですから、喪失の悲しみに対処するためにカウンセリングを受けられるとよいと思います。
(監修:国立病院機構四国がんセンター 青儀 健二郎)
※編集部注釈
日本においては、不妊治療のうち人工授精や体外受精、顕微授精などの治療は全て自費診療となっており、経済的な負担は大きな問題となっています。そのため、政府は、少子化対策の一環として、不妊治療の自費診療分を補助する「特定不妊治療費助成制度」を開始しています。これは体外受精や顕微授精の費用の一部を助成するものです。加えて、一部の市町村でも、独自の不妊治療費助成を行っています。地元の保健所に問い合わせてください。
This discussion was originally presented on April 25, 2006 on www.plwc.org この内容は、2006年4月25日に、米臨床腫瘍学会の患者向けサイト People Living With Cancer に掲載されたものです。
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