肝がんとともに

化学療法について

肝動脈内注入(肝動注)化学療法

 肝動注化学療法には、(1)カテーテルという細い管を肝動脈に挿入して、血管造影をしながら、一回だけ抗がん剤を注入する方法と、(2)カテーテルを体内に留置して、継続的に抗がん剤を注入する方法があります。(2)の継続的に注入する方法では、大腿部の付け根の動脈からカテーテルを通し、肝動脈まで進めた後、皮膚の下に埋め込んだ器具(リザーバー)に接続します。抗がん剤はこのリザーバーを介して、肝動脈に注入されます。

 これら2つの方法は、抗がん剤がほかの臓器などに流れていくことが少なく、確実に肝がんに到達してがん細胞を殺し、効果を発揮するという特徴があります。殺細胞的作用を有する抗がん剤の量が少なくてすむことから、全身投与した場合と比較して副作用の頻度や程度が低いと言われていますが、施設間で手技や注入する薬剤も異なることから、その有効性についての確立したエビデンスは今日に至るまで報告されていないのが現状であり、その構築が待たれます。また、薬物を局所に作用させることから、肝臓外に転移した腫瘍には効果は期待できません。


 使用される薬剤は、5-FUとアドリアマイシン、マイトマイシンC、エピルビシンとシスプラチン、あるいは5-FUとシスプラチンの併用、5-FUとインターフェロンαの併用などがあります。5-FUとシスプラチンの併用は「CDDP+5-FU(low dose FP)」、5-FUとインターフェロンαの併用は「IFN+5-FU」とも呼ばれています。ただし、これらの中には、肝がんに対して保険承認されていないもの、動注投与法が保険承認されておらず、研究という位置づけで行われているものがありますので、治療を受ける際には主治医に相談すると良いでしょう。

 2009年10月には、肝動脈注入化学療法に用いる新しい薬剤として、ミリプラチンが承認されました。ミリプラチンは、シスプラチンと同じ白金製剤で、DNAに作用してがん細胞を死滅させる抗がん剤です。