
【Photo Gallery】 2009.9〜
内科医
バンコク国際病院Japan Medical Service(JMS)クリニック 仲地省吾先生
仲地省吾先生は、2007年に日本人として初めてタイの医師国家試験に合格した。現在、バンコク病院メディカルセンター内バンコク国際病院内JMS(Japan Medical Service:日本人専門クリニック)で在留邦人や旅行者に対して外来診療を行っている。仲地先生は沖縄で生まれ育ち、山口大医学部を卒業した。消化器内科医として宇部協立病院に勤務した後、海外での医療に携わるようになる。
1998年4月から10カ月間、以前から思い描いていたアジア諸国11カ国を巡る旅に出た。その旅を通して、海外で医療を行いたいという気持ちが強くなった。ドキュメンタリー番組を見て、中村哲氏がパキスタンで医療活動を行っていることを知り、2002年にペシャワール会のパキスタン・アフガニスタンでの医療活動に参加。水源の確保、農業支援、会の運営などで多忙な中村医師に代わりチーフドクターとして、ペシャワール会が建設したPMS(ペシャワール会医療サービス病院)やへき地の診療所で3年間働いた。ハンセン氏病、マラリアなど多くの感染症の診療や内視鏡検査の指導などを通じて、アジアのへき地医療に魅せられた。(ペシャワール会での仲地先生の活動報告はこちら)
その後、さらに感染症の知識を得るため、2005年4月にタイのマヒドン大学熱帯医学研究所修士課程に1年間留学。門戸は狭いが、タイでは外国人にも医師国家試験の受験資格があることを知る。猛勉強の末、言葉や制度の高いハードルを乗り越え、合格した。淡々とその話をされる仲地先生だが、その内に秘めた意志の強さと実行力に驚かされるばかりであった。
タイ語を話せるようになり、タイの医療事情にも明るくなった。タイでは貧富の差が激しく、日本以上に医師が不足していることもあり、地方の医療は十分ではない。仲地先生は以前ペシャワール会で活動したように、地方の貧しい地域で医療活動をやりたいという夢を抱いている。まだ先のことだろうが、農村部で人々の中に入って、医療を行う日が来るのかもしれない。
バンコク国際病院 Japan Medical Service(JMS)クリニックのホームページはこちら
■内科医 仲地省吾先生
タイの医師国家試験合格までの道のりは非常に険しかった。受験資格としてタイの戸籍を持つか、タイ人の家に住んでいるという証明が必要と聞いた時点であきらめるのが普通だろう。しかし粘り強く可能性を探り、受験資格を取得した。試験はすべてタイ語で行われたが、第1部の基礎科目、第2部の臨床科目は初回で合格。海外で医療を行いたいという強い思いから、第3部の臨床実地試験も半年後の2回目の受験で見事に合格した。
■バンコク病院メディカルセンター
30以上の専門外来と467床(全て個室)をもつバンコク病院を中心に、国際病院、心臓循環器病院、癌病院、リハビリテーション病院、デンタルセンターから成る。タイでは私立病院に株式会社制が認められており、富裕層や外国人に向けてマーケティングを行い、海外で学んだ医師が高度医療を提供している。メディカルツアーも展開しており、アラブ、欧米、アジア諸国から手術など治療を求める渡航患者が増加している。日本では比較的安価に高度医療が受けられるため、透析、美容形成、性転換以外の、メディカルツアーでの日本人患者は少ない。
■バンコク国際病院JMS(日本人専門クリニック)
30年ほど前から日本人に特化したサービスを始め、現在では在タイ邦人を中心に1日約100〜150人の日本人が受診する。健康診断をパッケージ販売しており、年間約6000人が来院する。外来では仲地先生と日本の医学部を卒業したタイ人医師が診察するため、すべて日本語で対応が可能。バンコク病院に入院して専門治療が必要になっても、24時間365日通訳が間に入って日本語サービスを提供する。
■JMS(日本人専門クリニック)スタッフ
日本語通訳だけで23人(そのうち日本人は7人)が在籍し、受付業務や外来・病棟での診察時の通訳を行う。世界各国から患者が訪れるバンコク病院グループでは26カ国の言語に対応している。その他にも健康相談員、メンタルヘルスアドバイザー、マーケティングマネージャーなどが、タイでの日本人の健康を支えている。