インタビュー◎名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学・老年科学教授の葛谷雅文氏に聞く COVID-19流行下のACPの意義と留意点は 学会が人工呼吸器の装着や面会制限など高齢者を取り巻く問題に注意喚起 COVID-19という誰もが経験したことのない脅威が蔓延する中、高齢者医療を巡る倫理的な考え方やACP(advanced care planning)のあり方が改めて問われている。癌などの終末期患者とCOVID-19患者のACPの違いをどう捉えるか、COVID-19の流行前に行った意思確認をどのように取り扱うべきか──。今年8… 2020/11/26 老年医学・介護
インタビュー◎気道上皮のACE2発現低下が新型コロナウイルス感染を阻むカギか 喘息患者はCOVID-19にかかりにくい――3カ国8地域のデータのメタ解析より 国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー・感染研究部部長の松本健治氏に聞く 気管支喘息患者は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しにくい可能性があり、また喘息を基礎疾患に持つことは重症化とは相関しないことが明らかになった。これは国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー・感染研究部部長の松本健治氏らが、世界各地から報告された研究成果を集めてメタ解… 2020/07/02 感染症
リポート◎危惧される患者増、治療では集団療法に初の診療報酬点数 カジノ合法化でギャンブル依存症診療に新展開 カジノ合法化をきっかけにギャンブル依存症が注目されている。患者増を懸念して、横浜では精神科医団体が反対運動に乗り出した。一方、今年4月の診療報酬改定では初めてギャンブル依存症の集団療法を評価した点数が設定された。まずは現在、約70万人と推定される患者への対策が必要だ。… 2020/03/19 精神・神経
トレンド◎経腸栄養剤に少量でも高カロリー・高蛋白の「新顔」 イノラス登場で選択肢広がる高齢者の栄養管理 患者ごとに病態や栄養剤の特徴を考慮し使い分けを 少量でも高カロリーで高蛋白の経腸栄養剤「イノラス」の登場によって、高齢者の栄養管理の選択肢が広がった。低栄養が問題となる高齢患者の増加に伴い、医療機関では病態に合わせた栄養剤の使い分けと、コンプライアンスを高める工夫が必要だ。… 2019/12/26 医薬品
シリーズ◎今冬のインフルエンザで気掛かりなこと(6) 成人インフル脳症の調査で判明した注目の事実 若い成人の致命率は2~4歳児と同等、小児とは臨床病型が異なる可能性も 小児に多いとされてきたインフルエンザ脳症だが、最近の調査で成人の発症もまれではなく、働き盛りの若い人にも死亡例が多いことが分かってきた。小児との病型の違いなど解明すべき課題は少なくないが、予後の改善には、成人でも重症化する前の早期拾い上げが大切だ。… 2019/10/24 感染症
リポート◎心内膜炎では死亡例も、黄ブ菌と同レベルの対応が必要 皮膚常在菌なのに侮れないS. ルグドゥネンシス コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)の一種なのに、黄色ブドウ球菌に匹敵する病原性を持つとして最近注目されているのがスタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)だ。日本でも成人や小児において、院内はもちろん市中でも感染症例が報告されている。感染性心内膜炎では急… 2019/08/29 感染症
リポート◎「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改定 離乳とアレルギーの関係は? 気になる改定「ガイド」の中身 食物アレルギーの最新知見を基に新たな見解示す 2007年に作成された「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改定された。主な変更点は、食物アレルギーの発症予防に関するエビデンスの蓄積を基に、従来の離乳の進め方に新たな見解を加えたこと。また母乳栄養の利点などについても見直しを行い、授乳では必要に応じて育児用ミルクを使うなど、柔軟… 2019/05/23 アレルギー・免疫
リポート◎鎮静に新たな概念を導入 終末期癌患者の鎮静に8年ぶりの手引き 可能な限り意識レベルを保ちつつ苦痛緩和を目指す 終末期癌患者に対する苦痛緩和のための鎮静ガイドラインが「2018年版手引き」として8年ぶりに改訂された。終末期の鎮静の位置付けを明確にするため定義を変更。分類も変えて、患者の意識の低下を目的としない「調節型鎮静」を導入した。「手引き」で最も重視しているのは、患者の苦痛緩和に鎮静を… 2019/02/12 ターミナルケア
リポート◎過度のスマホ使用で懸念される網膜障害 ブルーライトは視力を低下させる? させない? スマートフォンやパソコンの光に多く含まれるブルーライト。網膜に届く光の中では最も強く、その影響は世界的にも関心が高い。スマホなどの長期使用が網膜に与える影響はまだ不明だが、目に入る光の強さや時間は加齢黄斑変性などの網膜疾患にも関係する。将来の疾患発症のリスク軽減のためにも適… 2018/11/29 眼科
特集◎再生医療はここまで来た!《7》 難病治癒や臓器再生の鍵は「オルガノイド」 試験管内で3次元的に作られた臓器に似た組織体「オルガノイド」を使った再生医療が、早期の実用化を目標に新たなステージに突入している。腸オルガノイドは難治性潰瘍の組織再生を目的に、今秋にも移植治療が始まる。肝オルガノイドは大量製造法が確立し、2年後の臨床応用に向け準備中。最も複雑… 2018/08/29 先端医学
特集◎再生医療はここまで来た!《4》 最年少教授が拓く「臓器の芽」による新移植医療 31歳で東京医科歯科大学教授に招聘された武部貴則氏 再生医療の究極の目的は、細胞から臓器を創生し移植できるようにすること。世界で初めてヒトiPS細胞から立体的な肝臓原基(肝臓の芽)を誘導し、生体への移植で血管を持つ肝臓に成長することを示したのが、武部貴則氏だ。31歳の若さで東京医科歯科大学教授に招聘され、再生医療研究の起爆剤的な存… 2018/08/16 消化器
トレンド◎進化する多発性骨髄腫の治療戦略 新薬相次ぎ多発性骨髄腫では死なない時代へ 早期から多剤併用の総力戦で腫瘍細胞の根絶を目指す いまだ完治困難とされる多発性骨髄腫の治療が、最近の相次ぐ新薬の登場で大きく前進している。この背景には病態の解明が進み、個々の患者における腫瘍細胞の多様性が明らかになってきたことがある。新薬を組み入れた積極的治療で早期から腫瘍細胞を徹底的に減らし再発を抑える。多発性骨髄腫では… 2018/03/29 血液内科
リポート◎学会が提言、アトピー乳児は早期から卵摂取を 卵アレルギーは「微量のゆで卵」で防ぐ 湿疹のコントロールが成功の鍵 アトピー性皮膚炎の乳児は早期から卵を食べ始めた方が卵アレルギーの発症を防げる──。世界初、日本発のエビデンスが、日常診療における食物アレルギー予防の方針を塗り替えた。成功の鍵は湿疹のコントロールと微量のゆで卵だった。… 2017/12/14 小児科
日本小児アレルギー学会が「重篤な食物アレルギー症状」の緊急調査 負荷試験や経口免疫療法に伴う重篤な事例は9例 抗原別では牛乳アレルギーが最多 2017年11月18~19日に宇都宮市で開催された第54回日本小児アレルギー学会学術大会で、食物アレルギー患者における重篤なアレルギー症状の調査結果が発表された。回答や情報公開のあった287施設中16施設(全体の5.6%)で、ICU管理を必要とするような重篤なアレルギー症状を引き起こしたことのある… 2017/11/21 アレルギー・免疫
日経メディカル2009年12月号特別編集版「インタビュー」(転載) 「臨床試験の“質的”向上に必要な疫学の視点」 滋賀医科大学生活習慣病予防センター特任教授 上島 弘嗣 氏 今年10月の第32回日本高血圧学会総会の会長を務めた上島弘嗣氏は、わが国の循環器分野における疫学研究の第一人者である。総会では、日本発の質の高いエビデンス創出に向けて、疫学の視点から、臨床研究の現状に一石を投じる企画などを打ち出し、注目を集めた。… 2009/12/10 循環器
静岡がんセンターで全国初「多職種がん専門レジデント」の募集開始 静岡がんセンターはこのほど、全国的にも例のない取り組みとして「多職種がん専門レジデント制度」を創設、2008年度採用の募集を開始した。対象は、看護師、薬剤師、診療放射線技師、医療社会福祉士、心理療法士など11職種の医療従事者。既に国立がんセンターでは、がん医療に精通した薬剤師の養… 2007/08/31 コメディカル
【緊急掲載】新潟県中越沖地震でも3人の患者が発生 「たこつぼ型心筋障害」を広島から世界に発信 【緊急掲載:中越沖地震関連】「たこつぼ型心筋障害」は1990年、当時広島市民病院に勤務していた佐藤氏らのグループにより世界で初めて報告された。2006年には、新潟県中越地震で被災後に多発したことを示す調査結果が明らかにされ、ストレスとの関連からもその名が知られるようになった。最近は海… 2007/07/26 循環器