小牧市民病院の電子カルテ支える「Caché」ベースの医療情報システム「CureLaEMR」 医療崩壊を押しとどめるために“病院業務の電子化”は必須の課題に
安全で質の高い医療を地域に提供するために病院業務の電子化を推進
小牧市民病院は,5市2町を抱える尾張北部医療圏で唯一の救命救急センターを設置し,第3次救急病院としての診療を行っている。また,臨床研修医指定病院,エイズ拠点病院,災害拠点病院の役割も担い,2005年1月には地域がん診療連携拠点病院の指定も受けている。こうした診療領域の拡張とともに,医療の質向上のため,ソフトとハード両面での充実を目指してきた。
急務であった電子化をCachéベースのシステムに一任
小牧市民病院 末永裕之院長

小牧市民病院の理念について,同院の末永裕之院長は次のように話す。

「当院では,『安全で安心な病院』,『最新医学による高次医療病院』,『心温まる人間味豊かな病院』の3つを理念に掲げています。また病院のスタッフは,『地域医療を守り,医療崩壊を自らの手で押しとどめよう』という目標を共有しています。これは,それぞれの地域で自分たちの病院をしっかり守ることによって日本の地域医療を支えることができると考えているからです。そのためにも,電子カルテをはじめとした病院業務の電子化は必須の課題となっていました」

同院は1963年に,内科,小児科,外科,整形外科,産婦人科,耳鼻咽喉科,眼科,理学診療科の8科と,一般101床,結核74床,伝染病23床という病床数で発足した。1965年には第1期工事を行い,病床の構成を一般108床,結核46床,伝染病23床に変更している。その後,1968年の第2期工事では病床数や診療棟などを増やし,1996年の第5期増築工事によって現在の一般544床(北棟増築40床,東棟243床,南棟261床) に至る。このように施設や診療設備などの更新は数回実施してきたが,電子化についてはそれほど進められていなかった。

「当初,オーストラリアで開発された医療情報システムを導入するという計画を聞いて驚きました。当院の病床数は544床ですが,実質的には700床規模の情報を扱っているのでそれを処理できるのかどうか心配でした。しかし,Cachéによる診療情報のデータベース化は今後,日本の医療現場で多く取り入れられていくだろうという意見を聞いたり,知識や経験が豊富な近藤先生の選択であることなどから,Cachéベースのシステムの採用を決めたのです」と末永院長は振り返る。

医療の質やサービス向上のため,電子化とともに人材の育成・拡充も図る
入口に設置された「自動再来受付機」
入口に設置された「自動再来受付機」。病院業務の電子化の一環で,すでにこの自動再来受付機はお年寄りにも定着している。

「正直なところ,電子カルテシステムの導入と運用には予想以上に費用がかかりました。しかし導入後は,直接的な収益こそ見込めないものの,医療の安全や患者の満足度を向上させることができました。また,経営データ分析のために電子カルテは重要な存在だと認識しています」と末永院長は,電子カルテシステムの導入効果を評価。さらに,今後の課題について次のような展望を語る。

「診療行為を包括評価するDPC(Diagnosis Procedure Combination)においても,データを適正に分析したうえで提供している医療を見直すという取り組みが必要になってきます。また,医療情報システムを病院の経営戦略にいかに利用するかという点に,これからの病院経営の成否がかかっていると考えています」

民間病院とは異なり職員が公務員である自治体病院では,ローテーションの都合で医事課で経験を積んだ職員を育成することが難しい。そこで末永院長は「本庁に移らない」という前提で事務職の採用を始めるなど,システムだけでなく人材の拡充に関する取り組みも進めている。

「円滑で効率的な医療業務のための電子化は必須です。しかし,電子化だけでなく,人材の育成や利用者にやさしい電子機器のあり方を考えることも重要です。そして,従来の成功体験とは異なる方法を考えて実践していくことが,今後の病院経営には必要だと考えています」と末永院長は締めくくった。

名古屋造形大学の学生などで構成された「やさしい美術コーディネートチーム」による作品が展示されている。これも同病院の理念に合わせて設置されたものだ。

お問い合わせ先

INTERSYSTEMS インターシステムズジャパン株式会社
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-10-1 日土地西新宿ビル17F
TEL:03-5321-6200
URL:InterSystems.co.jp/

▲ページトップへ