国立療養所の検査業務を支える「Caché」による医療システム 業務効率の向上と貴重な診療情報の収集・蓄積に「Caché」を活用
「Caché」と「Ensemble」により膨大な診療情報の収集・管理を実現
現在,国内には13ヵ所のハンセン病国立療養所があり,定期的に副園長会議が開催されている。沖縄愛楽園の野村謙副園長も参加している同会議においては,療養所の将来について意見が交換される。そこで議題となるのが,過去に蓄積された膨大な紙の情報を資産として適切に管理し,将来の治療や対策に役立てる方法である。野村副園長は,そうした課題をCachéとEnsembleを組み合わせたシステムによって解決できるのではないかと考えている。
既存の資産を活用した医療システムを構築
国立療養所 沖縄愛楽園 副園長 野村 謙氏

沖縄愛楽園の野村謙副園長は,検査科で構築した新システムの性能や可能性について次のような展望を語る。

「私が副園長に就任した4年前は,各科に個別のシステムが導入され,運用されていました。看護科は看護のシステムを,検査科は検査のシステムをそれぞれに稼動させていたのです。しかし,医療の現場では効率化とコスト削減が求められます。その中で医療の質を下げることなく効率やサービスの質を上げていくためには,ITをこれまで以上に積極的に活用していくべきです。当園では個別のシステムを単年度予算で断片的に導入してきました。しかし今回,検査科がCachéで構築したシステムを見たとき,将来的にはすべての診療データをCachéに集約し,オープンシステムによって既存資産を活かしながら,新しく統合化された医療システムを構築していくことが可能ではないかと思ったのです」

検査科が導入した検査システムは,これまで利用していた施設内のネットワークや診察台に置かれていた端末をそのまま利用し,ソフトウェアだけで新たに構築したものだ。既存の検査機器との接続については,オープンシステムの利点を活かし,低コストでデータを収集できる仕組みを採用。さらに,システムの接続性を高めるソフトウェア「Ensemble」を活用することで,既存システムのデータベースやアプリケーションに蓄えられているデータを容易にCachéに統合できる。このEnsembleは,データやアプリケーション,ポータル開発ソフトウェアなどを単一の環境に統合し,アーキテクチャとして一貫して設計されているため,Ensembleを使用したプロジェクトでは,従来の統合システムが必要とした開発期間をおよそ半分に短縮できるという利点も備える。

全国の療養所に蓄積されているデータの統合化にも期待

現在,日本にはハンセン病の国立療養所が13ヵ所あり,それらの療養所に残されている診療情報の多くは紙に書かれたものであるという。また,患者の高齢化とともに,収集できる情報量も減っている。重要な情報を適切に管理し,次世代に役立てるにはどうしたらいいか。それについて野村副園長は次のように考えている。

「今回の新システムで実現できた処理能力を見ると,全国の国立療養所で集めたデータをCachéに蓄積すれば,将来の治療や対策にも有用で,歴史的にも貴重な診療情報を継承し,新規の患者が多く発生している東南アジアなどの各国での研究にも貢献できるのではないかと思っています」

ハンセン病の治療については,プロミンという薬の効果が1943年に発表され,化学療法の進歩とともに容易に治癒する病気となっている。そのため,現在の国立療養所に暮らす人々のほとんどが「ハンセン病を過去に患ったことのある人」であり,沖縄愛楽園でも平均年齢77歳の入所者300名余りが長期の療養生活を送っている(2006年現在)。

同園では,入所者が人間としての尊厳を保ち,健康で安全な療養生活を送るための支援や,ハンセン病に対するあらゆる偏見を取り除くために啓発活動に力を注いでいる。毎年,夏祭りや,敬老会や慰霊祭,ゲートボール大会を催すなど,地域との交流や共生に向けた積極的な取り組みを行っている。

また,野村副園長は,全国13ヵ所の国立療養所の副園長が集まる年に一度の副園長会議に出席し,意見を交換している。

「副園長会議の場では,それぞれの国立療養所に蓄えられてきた診療データは歴史資料として貴重であるだけでなく,将来の医療に活かせる重要なデータであると認識されています。そのために,全療養所をネットワークで結び,データベースを構築するべきではないかという意見が出されています」

しかし,具体的にどのようなソフトウェアやシステムを利用すればそうした環境を実現できるのかは,現在のところ検討されていないという。これに対して野村副園長は,「全国の国立療養所が活用できるデータベースも,CachéとEnsembleによって実現できるのではないでしょうか」と将来に向けた抱負と期待を語った。


お問い合わせ先

INTERSYSTEMS インターシステムズジャパン株式会社
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-10-1 日土地西新宿ビル17F
TEL:03-5321-6200
URL:InterSystems.co.jp/

▲ページトップへ