DPC時代の情報化戦略と病院経営への取り組み 〜病院向け経営分析システム「Mercury」とそれを支えるデータベース「Caché」
DPC導入で医療の質と効率を向上する宮崎市郡医師会病院
(社)宮崎市郡医師会病院は,地域医療に貢献する各種診療科をそろえた開放型病院である。DPCの導入を控え,平成20年5月から電子カルテシステム「IZANAMI」と経営分析システム「Mercury」の導入を推進している。同院では,DPCに対応した経営分析システムによる経営効率の改善と,クリニカルパスツールを活用した地域医療との連携を目指している。
DPCの導入を推進する急性期病院の取り組みと課題
(社)宮崎市郡医師会病院 医療情報管理室 室長 竹下晋司氏

宮崎市群医師会病院のように,良質で効率的,そして効果的で透明性の高い医療を目指してDPCを導入する病院の数は増えている。DPCの導入には,平均在院日数の短縮やクリニカルパスの利用促進,レセプト作成や審査の事務量軽減など,医療機関においても利用する患者にとっても様々な効果が期待されている。しかしその一方で,レセプトでの診療内容のチェックが難しくなり,経営面を重視した過小診療や,今まで効率的医療に努めてきた医療機関を逆評価しかねないという懸念もある。こうした課題を解決するためにDPC病院では,診療行為別原価計算法を実装した病院向け経営分析システムの採用が必須だと考えられている。

宮崎市群医師会病院で情報化に取り組んでいる医療情報管理室室長の竹下晋司氏は,電子カルテシステム「IZANAMI」と経営分析システム「Mercury」を採用した経緯について次のように説明する。

「DPC病院として医療の質と効率を向上していくためには,電子カルテシステムの導入に加えて,診療行為別の原価計算ができる経営分析システムの採用が急務でした。これまでにも,病院向けの経営分析システムは数多くありましたが,部門別や患者別による原価計算では分析の活用範囲に限界があるため,いずれもDPC対策としては不十分だったのです。また,DPC病院における経営改善のためには,クリニカルパス収支シミュレーションも必須で,赤字のパスを作らない取り組みもITで解決する必要がありました。そうした考えから,当院ではIZANAMIとMercuryの採用を決めました。宮崎大学で行われたデモンストレーションで処理能力の高さを実感し,十分に利用できると判断したのです」

医師とともに考え,解決していくためのシステム基盤を導入

DPCによる急性期入院医療の診断群分類に基づく1日あたりの包括評価制度では,診療報酬額が包括評価部分と出来高部分に分かれる。出来高部分には,手術料や麻酔料など1000点以上の処置料があり,従来のようなドクターフィー的要素が算定できる。一方の包括評価部分では,入院基本料,内視鏡検査や病理検査などを除く検査,投薬や注射などの1000点未満の処置などが,1日あたりの点数×医療機関係数×入院日数として診断群分類ごとの基準で包括的に支払われる。そのため,医療行為に携わる医師やスタッフには,これまでの出来高払いとは異なるコスト意識が求められる。

例えば,胃潰瘍の手術で入院した患者がたまたま糖尿病にもかかっていたため入院中にインシュリンなどを投与したといった場合,糖尿病に関する処置は請求できない。こうした経営上のマイナスにも配慮する必要があるのだ。

(社)宮崎市郡医師会病院 医療情報管理室 室長 竹下晋司氏
(社)宮崎市郡医師会病院。DPCに対応した経営分析システムによる経営効率の改善と,クリニカルパスツールを活用した地域医療との連携を目指している。

「医療は人の生命に関わる仕事ですから,当院では医師の裁量権を最大限に優先して患者さんを治療することを最も大切にしています。そのうえで,先生たちと一緒にDPC病院としての医療のあり方や効率を考えていくために,当院ではMercuryを導入して診療行為の情報を蓄積していく考えです。将来的には,Mercuryによって蓄積,分析したクリニカルパスを地域の診療所と情報共有して,標準的な診療計画の策定や,医療の質の向上を図っていく計画です」と竹下氏は抱負を述べた。


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