Nikkei Medical ONLINE SPECIAL「沖縄県立南部医療センター・こども医療センター」事例・沖縄の医療を連携するデータ解析システムにCachéとEnsembleを採用

[Interview3]安全と安心の医療ために診療データの2次利用を推進(玉城聡 部長)

 2006年4月の開院に至るまで、沖縄県立南部医療センター・こども医療センターでは22社以上の医療関連のITシステムを導入した。例えば、NECの電子カルテシステム「MegaOak」を中核に、生体モニターや産科病棟での胎児心拍数モニター、病棟の心電図モニターなどを導入し、積極的なIT化を推進してきた。そうした取り組みの中で特に同院が注力したのは、電子カルテや検査装置から得られる1次データを蓄積し、その後の解析や研究などに活用するための2次データの収集と分析だった。

最先端のシステム導入で自動会計まで一貫したIT化を推進

 沖縄県立南部医療センター・こども医療センターでのシステム導入を担当した同院の医療情報科の玉城聡部長は、導入されたITシステムについて次のように説明する。

 「電子カルテを中心として、診療や会計などのITシステムが10ギガのネットワーク基盤で運用されています。完全なペーパーレス化を実現し、自動会計まで一貫したIT化を推進しました。特長としては、ほぼすべての検査をコンピュータで表示できるようになった点です。動画などもモニターに表示できます。22社以上のマルチベンダー環境ですが、円滑に運用しています」

 例えば、生体モニター上には、血圧や脈拍から酸素濃度にCVP圧、心電図や波形などがすべて表示される。もちろん、表示されるだけでなく、そのデータはナースステーションなどでもモニターできるので、至る場所から患者の安全を監視できる仕組みが整備されている。一般病棟でも心電図をモニターすることによって、不整脈などを早期に発見できるようになったという。

玉城聡 部長

 「すべての病棟や外来で電子化された診療データを閲覧できるようになったので、離れた場所にいる医師も現場に的確に指示できるようになりました。また、検討会なども至る場所でモニターを見ながら実施できるようになりました」と、玉城部長は導入効果を語る。

CachéとEnsembleによる医療と経営の分析システム

 22社以上のマルチベンダーによって医療用ITシステムを構築したが、診療や検診で得られた1次データを連携させるだけでなく、その膨大な情報を収集し分析するために、同院では「Caché」と「Ensemble」を組み合わせたシステムを導入した。

 「Ensembleを活用することで、電子カルテデータだけではなく、オーダーや医事に物流、更には人事・給与のデータもCachéに格納するシステムを構築しました。マルチベンダー環境でもEnsembleがすべてのシステムから必要とするデータを的確に収集するので、漏れなくCachéに格納できるようになります」と、玉城部長はEnsembleを採用した理由を説明する。

 臨床データの2次利用に、今回採用されたのは、日本ダイナシステム(株)・(株)ネットマークス製のCiDAR(Clinidal Data Repository)で、さまざまなフォーマットのデータを取り込み、ユーザが臨床データを自由に検索・分析できるシステムである。また、集められたデータを経営分析システムにも利用し、経営改善につながる分析が可能になるという。

 「一部のデータは、セキュリティへの配慮や運用の都合上、1週間や1ヵ月の単位でまとめてCachéに転送していますが、電子カルテとオーダー、医事関連のデータは、ほぼリアルタイムで収集し、モニターすることが可能になっています。この仕組みをうまく活用すれば、医療現場から送られてくる診療データのリアルタイム監視も可能になります」と、玉城部長はEnsembleの意外な効果について話す。

 データを収集する目的で採用したEnsembleだったが、その優れたデータ統合力と収集元のデータベースと連携したモニタリング機能を活用し、医療情報科では独自のダッシュボードを構築した。現在では、そのダッシュボードによって、各診療科の混雑状況概況やリアルタイムで医療機器から送られてくるデータの集中監視に取り組んでいる。

 玉城部長は、「将来的には、県内のすべての県立病院をITで連携させていく計画です。そのときにも、それぞれの県立病院で収集された診療情報をすべてCiDARで分析できるシステムを構築していきます。また、Ensembleを使って沖縄県のすべての県立病院の情報を集中的に監視や分析ができればと思います」と、今後の抱負を語った。

Ensemble ダッシュボード

Ensembleの優れたデータ統合力と収集元のデータベースと連携したモニタリング機能を活用し、医療情報科では独自のダッシュボードを構築(左図)。現在では、そのダッシュボードによって、各診療科の混雑状況概況やリアルタイムで医療機器から送られてくるデータの集中監視に取り組んでいる(下図)。

Ensemble システムモニタ

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