Nikkei Medical ONLINE SPECIAL「沖縄県立南部医療センター・こども医療センター」事例・沖縄の医療を連携するデータ解析システムにCachéとEnsembleを採用

[Interview1]「長寿と癒しの邦・沖縄復活」を目指した取り組み(安次嶺馨 院)

 沖縄県立南部医療センター・こども医療センターの安次嶺馨院長は、同院の初代院長に就任して以来、沖縄県民の健康に貢献する取り組みとして、食生活の欧米化や喫煙が招く生活習慣病を予防するための医療と啓蒙活動を積極的に推進。また、2006年4月の開院に向けて最先端の医療機器と電子システムを導入し、電子化の結果として得られる膨大な電子データを収集し分析することで、サービスの向上や効果的な予防医療へとつなげる取り組みも行っている。まずは同院の安次嶺院長に、同院の理念や将来展望などについてうかがった。

日本人の三大疾病の原因は生活習慣にある

 安次嶺馨院長の専門は、小児科学と新生児学である。病院は、診療を受ける患者だけでなくその家族にとっても安心できる快適な場所でなければならないと考えている安次嶺院長は、同院の理念と目標について「当院では、すべての診療科で専門医が高度な診療技術を発揮し、入院および外来の患者の診療にあたっています。職員は患者が安心して来院し、診療の結果に満足して帰宅できるような病院を目指しています」と切り出した。また、かつては日本一の長寿県であった沖縄県の医療の課題を次のように指摘する。

 「平均寿命を見ると女性は全国1位を維持していますが、男性は2000年の調査でトップの座から落ち、全国平均も下回ってしまいました。この背景には、沖縄の食生活が欧米化し、三大疾病と言われる悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の増加によって働き盛りの人たちが命を落としているという現状があります。この問題を根本的に解決するためには、三大疾病の原因となっている生活習慣病を予防するための取り組みが必要です」

 安次嶺院長は、自らが率先して病院施設内での禁煙パトロールを行うなど、県民の予防医療に対する意識や取り組みを促進するための啓蒙活動を積極的に進めている。

 「たばこはあらゆる癌の因子です。喫煙は個人の自由だという考え方もありますが、受動喫煙が懸念されますし、大人が喫煙する姿を子供に見せることも問題です。したがって、当院では駐車場も含めた全施設内での全面禁煙を実施しています。職員は当番制で、私は毎日、禁煙パトロールしています」と安次嶺院長は、沖縄県民の健康に貢献する取り組みについて語る。

安次嶺馨 院長

【略歴】
1967年鳥取大学医学部卒業
1969年県立中部病院で研修開始
1971年マイケル・リース病院(米国シカゴ)で小児科研修医を経験
1975年県立中部病院小児科医長就任
2003年同病院院長就任
2004年県立那覇病院院長就任
2006年4月に沖縄県立南部医療センター・こども医療センター初代院長に就任。専門は小児科学、新生児学

最先端の診療設備とIT化に取り組む

 県民の健康に配慮する一方で、院内にギャラリーを開設したりコンサートを開催するなど、診療施設としての役割だけでなく、地域に向けて文化を発信する活動も推進している。同院の活動に賛同してコンサートにボランティアで参加したり、院内のギャラリーに作品を提供したりするアーティストも増えている。さらに、蝶が舞う花と緑のある病院にするために、季節ごとに花が楽しめる街路樹や昆虫が育つ植物など、5〜10年先を見据えた植樹を行っている。安次嶺院長は、診療を受けない人も昆虫採集や芸術鑑賞のために集まってくるように、病院という施設をこれまでの概念にとらわれない自由な発想で作り上げてきたのである。

 「この病院に勤務している人たちが、沖縄県民の健康や安心に貢献していることに誇りを持ってほしいと願っています。そのためにも、この病院が沖縄県内にとどまらず国内でもトップレベルのサービスや診療施設、そしてITを整備する必要があったのです」と、同院がIT投資に積極的に取り組んできた背景について語る。

 同院では、2006年4月の開院に向けて最先端の医療機器と電子システムを導入してきた。その設備は、電子化による効率や合理性を追求するだけでなく、患者に快適で利便性の高い診療を提供する目的でも活用されている。また、電子化の結果として得られる膨大な電子データを収集し分析することで、サービスの向上や効果的な予防医療へとつなげる取り組みも推進している。その重要な2次データの収集と分析のために採用されたのが、インターシステムズの「Caché」と「Ensemble」である。

沖縄県立南部医療センター・こども医療センター

 沖縄県の県立病院再編計画により、新たな機能を持つ県立病院として、平成18年4月に開院。県民が待ち望んだ「こども病院」を併設する総合病院として、沖縄県南風原町に建設された。緑豊かな広大な敷地に立つ瀟洒な白亜の建物は、沖縄県の新たなる医療拠点にふさわしい機能を備えている。

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターの外観  24時間・365日オープンの救命救急センターをはじめ、MFICU(母胎胎児集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)、PICU(小児集中治療室)、ICU(成人集中治療室)、CCU(冠疾患集中治療室)を備え、沖縄県の基幹病院の一つとして機能。「長寿と癒しの邦・沖縄復活」という旗を掲げ、高度医療と生活習慣病の予防を両輪とした医療を提供している。
沖縄県南風原町字新川118-1
TEL:098-888-0123(代)  http://www.hosp.pref.okinawa.jp/nanbu/

お問い合わせ先

INTERSYSTEMS インターシステムズジャパン株式会社
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-10-1 日土地西新宿ビル17F
TEL:03-5321-6200
URL:InterSystems.co.jp/

ページトップへ

Nikkei Medical ONLINE SPECIAL INDEX
●関連サイト


日経BPCopyright (C) 1995-2007 Nikkei Business Publications, Inc. All rights reserved.
このページに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。著作権は日経BP,またはその情報提供者に帰属します。
掲載している情報は,記事執筆時点のものです。