病理検査を経てがんと診断されても、すぐに治療に入るわけではありません。「そのがんがどのくらい広がっているか」「他の臓器への転移(遠隔転移)はないか」を調べるための精密検査が続きます。がんの広がり具合や転移の有無により、最適な治療方法が違ってくるので、これはとても重要な検査です。
検査内容は、CT検査やPET/CT検査、超音波検査、MRI検査などの画像診断が中心です。がんによって転移しやすい臓器があるので、その臓器を重点的に検査しますが、一方で予測できない場所にがんが転移することもあるため、全身をひと通り調べることもします。
全身を診る検査としては、CT検査やPET/CT検査がありますが、どちらが選択されるかは、ケース・バイ・ケースです。CT検査に比べて、PET/CT検査は高額な検査なので、がんが比較的進行していて、転移の可能性が高い場合に、PET/CT検査が選ばれることが多いようです。仮に腫瘍があった場合、腫瘍の形や大きさを写し出すCT画像だけでは、それが良性のものか悪性のものか、見分けづらいことがありますが、PETの画像には、ブドウ糖を大量に消費する悪性の腫瘍(がん)だけが写るので、PETとCTを組み合わせたPET/CT検査を行うことで、より確実な診断が可能になるのです。
※がんの広がり、転移を調べるPET/CT検査については、2006年の保険改定以降、13種類のがん、悪性腫瘍に健康保険の適用が認められています。
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