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 兵庫医科大学病院では、この11月にPETセンターが開設されます。FDG-PETに健康保険の適用が認められて早4年、いささか遅い開設になりましたが、その間にPETを取り巻く環境にも大きな変化がみられました。
 装置ではPETとCT装置を一体化したPET/CT装置が主流になり、当センターでも2台のPET装置は、いずれも16列のマルチスライスCTと一体化したPET/CT装置を導入しました。これまでPETの有用性を検討するのにCTとの比較がよく行われ、それぞれ一長一短があることは知られていましたが、ここで対抗馬のCTが得意とする形態的診断をPETが取り込むことによって、PETのがん診断における価値が飛躍的に高まったことは間違いありません。これは国の医療費抑制政策のなかで、PET/CT検査がこの4月から新たに健康保険適用されたことでも明らかです。

 しかし一方では、これまで高額とされてきたPET装置より、PET/CT装置がさらに高額になることは自明で、どこの医療機関でも備えることができるわけではありません。このような高額かつ高機能な装置を、一医療機関だけで使用するのは“もったいない”ことにもなります。このたびの本学PETセンター開設の目的は、人口170万人の阪神地域にあって、地域における病病、病診連携の架け橋となり、ともすれば難しいわが国の地域医療連携のモデルになることです。そして病院内でのサイクロトロンによる放射性同位元素(Radioisotope、RI)の製造、薬剤合成、最先端のエレクトロニクスを駆使したPET/CT装置での診断という最先端医療技術が、一般の人々とって非常に身近なものに感じられ、健康管理に大いに役立つようにすることが大きな目標と考えています。
 PETは、RIの医学応用分野である核医学の一領域に過ぎません。核医学にはPET以外に脳、心筋などの血流分布をみるSPECTや、骨転移を調べる骨シンチグラフィ、そしてがんなどに対するRI治療と、PETに劣らず優れた領域があります。当センターではこれらも同じ建物の中で行うことができます。PETセンターという よりも、むしろ核医学・PETセンターであるという点も、当センターの大きな特徴と言えるでしょう。