■知っておきたい「がんの検査」|「検診」を正しく理解する「集団検診」と「個別検診」
 
 現在がん検診は、地域や職場、医療機関などで実施されていますが、大きく「集団検診タイプ(対策型検診)」と「個別検診タイプ(任意型検診)」に分けられます。
 

1 集団検診タイプ(対策型検診)
  •  代表例としては、年齢など一定の条件を満たした住民を対象に、市区町村が実施するがん検診があります。この場合は税金が使われるので、無料か、ごく低料金で検診が受けられます。そのほか、企業が社員を対象に行っているがん検診も集団検診タイプに含まれます。
  •  集団検診には公的な資金が使われるので、日本人に多いがんを中心に、「検診を実施することで、そのがんの死亡率が確実に下がる」ことが科学的に認められた方法で行われます。また大ぜいの人が受けるので、安くて簡便な検査でなくてはいけません。逆に言えば、死亡率の低下がまだ証明されていない新しい検査や、高額な検査は集団検診には用いられません。
  •  現在、実施されているがんの集団検診は、主に下記の5種類です(カッコ内は検査方法)。ただし下記すべてのがん検診が、すべての市区町村、職場で行われているわけではありません。詳しいことは直接、問い合わせてみましょう。

    • 胃がん(上部消化管造影)
      子宮頚がん(細胞診)
      乳がん(視触診とマンモグラフィーの併用)
      肺がん(胸部X線撮影と喀痰かくたん検査の併用)
      大腸がん(便潜血検査)
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2 個別検診タイプ(任意型検診)
  •  一般の医療機関で、個人が任意で受けるがん検診のことを指します。各医療機関ごとに、それぞれの特長を打ち出した検診メニューが用意されています。「胃がん検診」や「大腸がん検診」など、部分別のがん検診を行っているところもあれば、「がんドック」のように、さまざまな部位のがんを一度に調べる、総合的なコースを設けているところもあります。
  •  個別検診の場合、検査方法に特に制約はありません。そのため最新の検査技術がどんどん導入される傾向があります。PET/CT検査もその一つです。またどんなに優れた検査でも得意、不得意があるので、複数の検査を組み合わせた検診メニューで、より診断の精度を上げる工夫をしています。
     費用は検査内容によって異なりますが、集団検診に比べると、全般的にかなり高額になります(検診に健康保険は適用されません)。