■知っておきたい「がんの検査」|部位別・がんの検査乳がんの概要
 
3 乳がんの精密検査
[がんの広がり、転移の有無などを診断
(病期診断)するための検査]

  乳がんと診断された後も、治療を始める前に、乳房内のがんがどのくらい広がっているか、また他の臓器に転移していないかなどを調べるため、引き続き精密検査が行われます。

 乳がんの広がりを確認するには、主にCT検査が行われます。CT検査では、乳がんが転移しやすいリンパ節、肺をはじめ、全身の転移の有無もひと通り調べることができます。このほか乳がんは、骨や肝臓に転移することも多いので、これらの部位を得意とする、骨シンチグラフィや超音波検査も重ねて行われます。  

  また、以上のような検査を個別に行うのではなく、PET-CT検査で全身を一度に調べる場合もあります。


乳がんの「センチネル・リンパ節生検」について

  乳がんは、わきの下のリンパ節に転移しやすく、ここからリンパの流れに乗って、全身に転移する可能性が高いと考えられています。わきの下のリンパ節に転移しているかどうかは、精密検査の段階で調べますが、確かなことは実際に切除して病理検査を行わないと、分からないのが実情です。
  そのため、現在の乳がんの手術では、転移の有無に関わらず、わきの下のリンパ節を切除するのが一般的です。そして手術が終わってから、転移していたかどうかを病理検査で調べ、その結果をその後の治療の指標にします。
  しかし、実際に転移があった場合の切除はやむを得ないとしても、転移のない場合にも、わきの下のリンパ節を取ることについては、賛否が分かれるかもしれません。わきの下のリンパ節を取ると、むくみやしびれなどの後遺症が起こる可能性があるからです。
  そこで最近では、新しい方法として「センチネル・リンパ節生検」が行われることが増えてきました。「生検」といっても、通常は手術中(手術の最初)に行われ、患者さん本人は麻酔で眠っていますから、単体で受ける他の検査とは、少し勝手が違うかもしれません。
  具体的な方法としては、乳房内にできたがんが、いちばん先に流れ着くリンパ節(センチネル・リンパ節)を、手術の最初に見つけ出し、その部分だけを生検して、すぐに病理検査を行います。「センチネル」は「見張り」の意味で、病理検査でここにがんがないことが分かれば、「その先のリンパ節にがんは転移していない」と判断して、わきの下のリンパ節を温存しながら、手術を進めていきます。
  センチネル・リンパ節を見つけるためには、乳房内を流れるリンパ液に“印”をつけて、その流れを追っていきます。“印”として用いるのは、放射性同位体や色素で、これらは手術の前日や、手術室に入って麻酔をした後に注射します。


参考サイト
日本メジフィジックス(株)/一般の方向け情報 …骨シンチグラフィに関する資料がダウンロードできます。
乳がん.JP/手術について …センチネル・リンパ節生検について、詳しく解説しています。

4.乳がんの治療効果を確認する検査へ