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画像診断とは、体の内部を写真に撮って診ること

 画像診断とは、体内の様子を写真画像にして、異常がないかどうかを診断する医療技術。ほとんど苦痛を伴わず、がんなどの病気の早期発見に有効なため、今日の医療ではとても重要な役割を果たしている。
 主な画像診断法には、次のようなものがある。

<1 X線撮影>

 X線とはいわゆる「レントゲン」のこと。最も一般的な画像診断法として、呼吸器、循環器、消化器、また整形外科領域などで幅広く利用されている。
 X線撮影では、病気やけがが疑われる部位に、放射線の一種であるX線を当てる。骨などX線を通しにくいところは白く、通しやすいところは黒く写る。
 ちなみに「レントゲン」という呼び名は、1895年にX線を発見したドイツの物理学者W.C.レントゲンの名前に由来してる。

<2 CT>

 CTとはComputed Tomography(コンピュータ断層法)の略称。CTもX線を利用した画像診断法だが、1が体を側面から撮影するのに対し、CTではコンピュータを使って、体の断面(輪切りにした状態)を画像化することができる。
 検査の方法は、検査台に横になってじっとしておくだけ。検査台がそのまま移動して、トンネル状の装置の中に入り、そこでX線による撮影が行われる。所要時間は数分ほど。
 最近では断面を1枚ずつ撮影するのではなく、気になる部位をらせん状に一度で撮影できる「ヘリカルCT」と呼ばれる方法も実用化され、より短時間で検査ができるようになった。

<3 MRI>

 MRIはMagnetic Resonance Imagingの略で、「磁気共鳴画像診断法」ともいう。MRIはX線などの放射線ではなく、磁気の力を応用する。
 MRIの装置はCTと同様、トンネルのような形をしている。トンネルの内部には強い磁気が働いていて、そこで患者さんの体に特定の電磁波を当てると、体の組織を構成している水素原子が反応(共鳴)して、信号を発する。MRIでは、この信号を集めて画像にする。
 MRIはCTに比べて検査に時間がかかるが、CTでは見えにくい部位がよく見えたり、また体の横断面だけでなく、縦や斜めに切った画像など、あらゆる方向の断面画像を撮ることができる。

<4 PET>(詳しくはこちら

 PETとはPositron Emission Tomography(ポジトロン(陽電子)放射断層撮影法)のことをいう。この検査の一番の特徴は、「PET製剤」にある。あらかじめこの「PET製剤」を静脈に注射しておき、それが体内のどこに集まり、代謝されているかを画像にする。それによって、異常な代謝を行うがん細胞などを見つけることができる。
 いったん体に入った薬剤を外から捉えられるのは、このPET製剤が体内でガンマ線を放出するため。それをPETのカメラがキャッチし、画像ではその部分が明るく光る。
 PETは、CTやMRIでは見つかりにくい、早期がんの発見などに威力を発揮する。また一度の検査で全身を調べられるので、転移・再発の有無を確認するのにも有効。ただ、画像がやや不鮮明なので、正確な場所を特定するためには、CTやMRIと組み合わせて利用する。最近では「PET-CT」という、PETとCTの両方の撮影ができる装置も普及しつつある。

最適な検査を、最適な組み合わせで

 代表的な画像診断法について簡単に紹介したが、まとめると、X線撮影、CT、MRIは体内の組織の「“形”を診る検査(形態診断)」、PETは細胞の代謝など、体内の「“機能”を診る検査(機能診断)」と分類することができる。
 それぞれの診断法には一長一短があり、現時点では「これですべてがわかる」という万能の画像診断はない。医療現場では、それぞれの特性を十分に理解したうえで、担当医が最適な方法を判断し、より確実で患者さんに負担の少ない画像診断が行われている。