前回まで、血管合併症予防に関するエビデンスの有無に基づいた糖尿病治療薬選択を推奨している国立国際医療研究センター病院による「糖尿病標準診療マニュアル」1)に沿って、糖尿病治療について包括的に吟味してきた。最終回は、エビデンスに“使われない”ために知っておかなければならない統計学的落とし穴について復習をしながらまとめたい。たとえ一流医学誌に掲載された論文であっても、結果だけをうのみにせず、妥当性が低ければ話半分に論文を読むことが大切である。

【その1】
二次エンドポイントはオマケ〜朝三暮四に注意〜第1回第9回参照)
 研究で実証できるエンドポイントは一次エンドポイントだけであり、二次エンドポイントは仮説を実証するものではなく示唆するオマケにすぎない2)3)。実際、心不全患者におけるアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とアンジオテンシン変換酵素阻害薬

EBMに潜む八つのワナ〜論文を正しく読むコツ〜の画像

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