認知症症状のある人が理解できないことを言ったり、行動を取ったりすると、すぐBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia:認知症の行動と心理症状)と呼んで薬物療法による対応を考える医療関係者が少なくない。確かに、BPSDを「認知症患者に頻繁にみられる知覚、思考内容、気分または行動の障害による症状」と定義している本もあるため、そう考える者を責めるわけにはいかない。しかし、なんでもすぐにBPSDと捉えることは、患者の心の声に耳を傾ける機会を逸する恐れがある。

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