認知症を専門とされない先生方にとって認知症診療で最も厄介なことは物忘れを主訴に受診・相談に来た患者さんが、認知症に進展しているのか、あるいはいまだ加齢に伴う物忘れの段階なのか――の鑑別ではないかと思います。今回はこの鑑別に関して述べていきますが、結論から言いますと実臨床では両者を鑑別できない事例が少なからず存在します。なぜならば、加齢に伴って記憶を始めとする認知機能は誰でも低下してきます。その低下は、加齢に伴う物忘れから軽度認知障害、そしてアルツハイマー型認知症と1本の連続した線上に位置しています。ここでは、議論が煩雑になるので加齢に伴う物忘れとアルツハイマー型認知症との流れで考えてみますが

病歴からアルツハイマー型認知症を鑑別できるかの画像

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