この連載では、精神科単科病院に勤務する僕が担当した方々のエピソードをやや改変してご紹介します。詳しくは前回の「死は希望だ」をご一読ください。今回は、統合失調症で長期入院されていた女性のお話です。僕が担当したのは最後の数年間だけでした。「梅毒にかかっている」という妄想がずっとあり、病識がない方でした。精神科でいう病識とは、自身が病気であるという認識のことをいいます。

2つの腫瘍と1つの死。その日、彼女は拒絶したの画像

ログインして全文を読む