日常的に外国人診療をしていると、頭痛の種が時折生じてしまう。その1つが、熱帯病を抱えている可能性がある患者だ。熱帯病は日本の医師にとって学問的に弱い分野の1つだろう。かくいう私も、学んだ記憶といえば、大学でちょこっと数時間の講義を受けた程度だ。
 熱帯病を考えるのは、アフリカ出身の人が訪れてきたときだ。まずは問診、症状から国内で頻度の高い疾患を疑い、治療を開始する。しかし、ときに治療にあまり反応しない場合がある。そうしたときには、熱帯病をはじめ患者の出身国に多い疾患の可能性を考えなくてはならなくなるのだ。つい先日、やってきたタンザニア人男性は自ら寄生虫疾患を心配して訪れたと教えてくれた。そんな患者と話しながらふと、30年前の出来事を思い出した。

外国人診療における4つの「頭痛の種」の画像

ログインして全文を読む