私のクリニックでは、初診の患者さんには診察前に書面にて予診をしています。そして「顔のイボを取りたい」との主訴で受診する方は皮膚科では少なからず見受けられます。

 しかし、診察してみると半球状に隆起した色素細胞母斑であったりします。患者さんにとっては、顔に何かしら新しく生じたものは全て「イボ」なのです。皮膚科医の感覚とはかなりズレがあるようです。

 Wikipediaで「イボ」と検索してみると、一番に「小型のドーム状に盛り上がった腫瘤をいう」と出てきました。患者さんの訴えはあながち誤りでないかもしれません。逆に私の方が先入観をもって診察しているのかもしれません。最近、新聞などで「あれもイボ」「これもイボ」と矢印付きの広告を目にすることがあります。Wikipedia 的には「イボ」に間違いないのでしょう。しかし、そこに診察・診断がなされていません。

 ありふれた疾患ですが、意外と迷うことがある「イボ」。今回はそのようなお話です。

 40歳代男性。顔にこの数カ月間で「イボ」ができてきたそうです。しだいに成長し大きくなり目立つようになったので取ってほしいとの主訴で受診されました。直径5mm大、乳白色でやや光沢があ

顔のイボを取りたいと患者に言われたらの画像

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