肝芽腫で標準リスクと判断された小児患者には、シスプラチンを用いた化学療法と手術が有効で、長期的な生存率は高いが、永続する深刻な難聴が発生する可能性がある。シスプラチンによる耳毒性の保護剤としてチオ硫酸ナトリウム(STS)を投与するランダム化試験を行った英Great Ormond Street HospitalのPenelope R. Brock氏らは、STSが癌の治療効果を損なうことなくシスプラチン関連聴力障害の発症率を減らしたと報告した。結果はNEJM誌2018年6月21日号に掲載された。

 子音の聞き取りに関わる4kHz〜8kHzの周波数に聴力障害があると、幼児の会話の発達に支障を来す。そこでこれらの周波数の聴力レベルを保護する物質が求められ、動物実験やフェーズ1・2試験から、STSに保護効果が期待できることが示唆されていた。薬物動態から、シスプラチンの殺腫瘍細胞効果を損なうことなくSTSを投与する安全なタイミングは6時間後と推定された。そこで、ランダム化フェーズ3試験のSIOPEL 6が計画された。

 組み入れ対象者は、標準的なリスクの肝芽腫がある18歳未満の患者で、初めて治療を受ける場合とした。腫瘍の広がりはPRETEXT分類でIからIIIまで(肝臓の3つの隣接する区域まで

チオ硫酸ナトリウムはシスプラチンの耳毒性を減らすの画像

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