ドナー由来の角膜内皮細胞(CEC)を培養し、Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬を添加して、水疱性角膜症患者の前房内に注入する治療を11人に実施した京都府立医大の木下茂氏らは、角膜内皮の再建と透明性の回復に加えて、視力向上も期待できると報告した。詳細は、NEJM誌2018年3月15日号に掲載された。

 角膜の最内層を覆うCECは、一層の細胞からなり、水分量を調節して角膜の透明性の維持に役割を果たしている。健康なCECの密度は2000個/mm2を超えるが、400個未満になると、排水不良による角膜機能障害から混濁と肥厚化を起こし、水疱性角膜症が生じる。水疱性角膜症の治療法は、これまでは角膜移植しかなく、侵襲性は高い上に長期的な予後は明らかではない。

 著者らは、ROCK阻害薬が角膜内皮の細胞増殖を促進し、アポトーシスを抑制することが報告されており、ヒトCECの培養が可能になっていることから、重症の角膜内皮障害の治療にこれらを用いるための実験を、動物モデルなどを用いて進めてきた。得られたデータに基づいて、ROCK阻害薬を添加した培養ヒトCECを前房内に注入する治療を水疱性角膜症患者に適用し、CECの密度が上昇するかどうかを検討する臨床試

水疱性角膜症患者の再生医療で好結果の画像

ログインして全文を読む