局所進行直腸癌の標準治療は、術前化学療法後の直腸間膜全切除術(TME)とされている。術前化学療法後に、臨床的完全寛解(cCR)と判断された患者を経過観察(watch and wait)とする戦略の有効性と安全性を検討したオランダLeiden大学医療センターのMaxime J M van der Valk氏らは、対象患者を慎重に選別し、定期的にサーベイランスを行えば多くの患者が手術を回避でき、再発した場合も手術不能例はまれだったと報告した。詳細は、Lancet誌2018年6月23日号に掲載された。

 術前化学療法後にTMEを受けた直腸癌患者の1〜2%が周術期に死亡し、フレイルや合併症がある高齢者では死亡リスクがさらに高くなる。患者は人工肛門の使用を余儀なくされる可能性があり、長期にわたる排尿障害や性機能障害が60%を超える患者に生じると報告されている。ゆえに近年は、QOLと機能的転帰の向上を目指した、より個別化された臓器温存アプローチへの関心が高まっている。

 術前化学療法後にcCRと判断された直腸癌患者を経過観察(watch and wait)とする戦略は、大規模な切除を回避する機会を患者に与える。しかし、これまでに行われた小規模のコホ

直腸癌の安全な手術回避条件を探る研究の画像

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