上腹部開腹手術の合併症で、最も多く見られるのが術後呼吸器合併症(PPC)だ。豪州Launceston総合病院のIanthe Boden氏らは、理学療法士によるPPC予防のための教育と訓練を術前に30分間行う場合と、説明資料のみ配付した場合を比較するランダム化対照試験を行って、術前指導により術後14日間のPPCリスクが大きく減少すると報告した。詳細は、BMJ誌電子版に2018年1月24日に掲載された。

 上腹部手術を受けた患者のPPC発生率は10〜50%と報告されている。原因としては、肺活量の減少や呼吸筋機能の低下、粘液繊毛によるクリアランスの低下などが想定されている。これらの原因を予防するには呼吸運動が有効だと期待されているが、これまでの研究では十分なエビデンスは得られていなかった。

 著者らは、呼吸訓練に関する指導を行うタイミングが重要と考えた。術後に行う場合には手術の翌日に実施されることが多いが、術前に行っておけば、意識が戻った直後から自主的に訓練を行うことができるはずだ。この仮定について検討するために、上腹部開腹手術を待機的に受ける患者を登録し、術前に理学療法の指導を行ってPPC発症率への影響を調べる、ランダム化

術前の理学療法で術後呼吸器合併症が減るの画像

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