4月半ばだというのに雪の降るシカゴ。凍えるような外気をよそに、4月16日の朝、米国らしい巨大なコンベンションセンターの最も広い会場であるN Hall B会場は、熱気であふれていた。まるで、来月初めに開催される世界最大の癌の学会である、米国臨床腫瘍学会(ASCO)のプレナリーセッションかと思うほどだった。

 この熱気を発していたのは、比較的基礎的な話題も取り扱うAmerican Association for Cancer Research(AACR)の会場。この日の午前中、AACRにしては珍しく、肺癌の標準治療に影響を与える大規模な臨床試験の結果がいくつも発表されたためだった。しかも内容は、今、話題を集める免疫チェックポイント阻害薬の結果である。演者、ディスカッサントが試験の結果と解釈を熱く語り、会場は発表ごとに大きな拍手に包まれた。普段ならASCOで行われるレベルの発表が、ASCOが開かれる同じ会場で、1カ月半前に行われたのだった。

AACRが取り入れた「DO NOT POST」ルール
 このAACR、以前から発表されるスライドの撮影を厳しく禁じる学会としても有名だった。撮影しようとする参加者を見つけ出し撮影をやめさせるために、専用のスタッフを数多

ログインして全文を読む