夏が来た。青い空に入道雲、そして照り付ける太陽。これだけで僕には十分なのだが、世間の関心は夏の風物詩・甲子園予選大会にあるらしい。野球にさっぱり興味のない僕には、単なる高校生の部活動、青春の一コマにすぎないのだが、町の薬局で働いていると、その影響力の大きさを知ることになる。田舎ほど、きっと顕著なのだろう。地区予選だというのに、地元の高校が試合に出ている時間帯は薬局は閑散としており、ごくわずかな来局患者も、薬を受け取った後も帰る気配がなく、クーラーの効いた薬局内でテレビにくぎ付けになっていた。

ログインして全文を読む