今回は、医療訴訟の件数や審理期間など最近の傾向をご説明します。
 裁判所が新しく受けた医療訴訟の事件数(新受件数)は、一貫して増え続けていましたが、2004年の1089件をピークとして減少に向かい、2009年以降は年間700件台で推移してきました(図1)。現在は年間800件前後で比較的安定しているといえます。(2004年に医療訴訟がピークを迎えた理由として、当時はやっていた「白い巨塔」の影響ではないかと言う人がいますが、定かではありません)。
 医療訴訟の第1審の平均審理期間は、1998年以前は3年以上かかっていましたが、その後減少に向かい、最近は2年(24か月)前後で安定しています。短縮化に向かった理由としては、2001年以降に設置された裁判所の医療訴訟の専門部が有用であったこと、専門部での取り組みや成果が専門部を持たない裁判所でも共有されたことなどが挙げられています。前回ご紹介したように、現在では、全国で10庁の地裁が医療訴訟を集中的に扱う部を有しています。

医療訴訟の患者側勝訴率が低下、その理由は?の画像

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