寒い時期に急増するのは、インフルエンザや肺炎などの呼吸器感染症だ。混雑する冬の救急外来では、知らず知らずのうちに問診や身体診察を簡略化し、早い段階でインフルエンザ迅速検査を行うなどインフルエンザ中心の診療になってはいないだろうか。

 京都府立医科大学附属病院の武部弘太郎氏は、「どの検査も、問診や身体診察で検査前確率を十分に考えてから実施している」と話す。

 特にインフルエンザの迅速検査は感度が高くない。「取りあえず検査」して、陰性だった場合に「インフルエンザではないので様子を見てください」と患者を帰すことは「一番避けたい」と言う。迅速検査では罹患早期は偽陰性が起こるともいわれる。実際はインフルエンザに罹患していたのに陰性と判定されたというケースもある。

 さらに、冬季はインフルエンザ以外の疾患への注意も低くなりがち。体のだるさなどを訴えて受診した人が迅速検査で陰性だったために帰され、翌日に心筋梗塞で救急搬送された話や、発熱が続いていたが迅速検査で陰性だからと帰された人が実は心筋炎だったという話はよく耳にするという。

インフル検査「陰性」こそ要注意の画像