腹腔鏡下手術をすることになった。と言っても、僕が執刀する訳ではない。患者が僕なのだ。

 学生の頃から胆嚢ポリープがあることは知っていた。ずっと気になっていた。自分でエコーを見るたびに増大しているような気がする。実際に計測すると形もサイズも変わってないんだけど、プロレスラーが膝に爆弾を抱えるように、僕はお腹にポリープを持っているのだ。

「そんなに心配なら、オペしちまえばいいんだよ」と川越先生は言う。
「でも、そんないきなり」
「当直か? ラパロなら3日だよ。ま、でも一週間は休まないと…か。そのくらいなら何とか当直をやりくりしてやる」
 当直ではない。うちの幼稚園児が心配するかなと思っただけだ。

 結局、川越先生の勧めのとおり、手術することにした。これから先、ずっと腹を気にしながら生活するのも嫌だし。
 川越先生が励ましてくれる。
「うちの猫だって手術したことあるんだから、お前も大丈夫だ」
「わかりました。手術したんですか? 何の?」
「去勢手術」
「はあ。それで猫ちゃんは大丈夫でした? 痛がったりとか」
「死んだ」
「え?」
「いや、最近ね。老衰よ。俺の後輩の外科医を紹介してやるよ。オペ、上手い

はじめての手術の画像