36歳女性。就寝前に自宅のドアで左手をぶつけ、放っておいたら徐々に手指が腫れてきた。結婚指輪が食い込んで外れなくなり、疼痛が出てきたためER受診。「結婚指輪はどうしても切らないでほしい」と求めている――。

 「指輪がほしい」「指輪をはめてほしい」は世間一般の願いかもしれませんが、医療従事者は往々にして「指輪を外したい」というシチュエーションに出合います。緊急手術の時は外しておきたいですし、大量輸液をする前にも、浮腫が予測されますから事前に外しておきたい。上肢に外傷がある場合や、指のX線を撮影するときはもちろん外しておくべきです。

 その他、冒頭の症例のように「指輪が外れなくなった」ということでERを訪れる人もまれではありません。指輪くらい引っ張って外せばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、指輪より遠位部がうっ血してくると外れにくくなり、指の腫脹によりさらに指輪が食い込んで、さらにうっ血して余計に指輪が外れない状態になります。今回は、こうした場合の指輪の外しかたを提示します。

抜けない指輪には「ゴムバンドぐるぐるマンシェット締め上げ凧糸ぐるぐる法」の画像