『赤ひげ』は常識的には連載の第1回に取り上げるべき映画であるが、少々へそ曲がりの私はそれをせず、最終回に私なりのうんちくを述べて連載を終わる。黒澤明が山本周五郎の原作を基に、本作を撮ったのは昭和40(1965)年で、日本映画の衰退が年々叫ばれ5年あまりが経過していた。この作品で黒澤の目指したのは、自ら描き続けてきたテーマ「未熟な若者を老賢者が導き育てる」の集大成と、「日本映画健在」を示したい第一人者として自負であった。

理想の医師像『赤ひげ』は傑作か?の画像

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