2年ばかり続いた本欄も今年で終わることになり、残り2回となった。全体に洋画が多かったので、最後に邦画の、それも通常なら連載の最初に持ってくるべきとっておきの傑作を紹介したい。今回は、世界で初めて全身麻酔を実践した華岡青洲の足跡を、実に見事な小説に仕上げた有吉佐和子の『華岡青洲の妻』を増村保造監督が撮った映画。次回最終回は、実在した診療所ながら、創作された医師2人を主人公にした黒澤明監督の『赤ひげ』(1965年)とする。『赤ひげ』の映画は、原作者の山本周五郎をして「原作より素晴らしい」と称賛させた。華岡青洲も赤ひげも、ともに江戸時代の医師である。

江戸時代に全身麻酔を施行した華岡青洲を題材にした傑作映画『華岡青洲の妻』(1967年)の画像

ログインして全文を読む