病気を扱った映画は数限りなくある。観客の持つ「他者への共感」を刺激し、映画としての少々のつたなさをカバーしてくれるから、昔は映画の題材に困れば「子ども・犬・病気を出せばよい」と言われていた。しかし、黒澤明の『生きる』(1952[昭和27]年)は別格の名画である。彼の最高傑作、否、世界の映画史の中でも必ず3本の指に入るであろう『七人の侍』(1954年)の前に撮った「意欲や勢いに満ち溢れていた円熟期」の作品。

癌宣告後に見る日米の文化の差『生きる』vs『最高の人生の見つけ方』の画像

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