大学教授会の送別会は、毎年都内の有名ホテルの一室で行われる。その会に初めて出席したTは、場にそぐわない自分の居心地の悪さを、参加する他の重鎮を観察することで紛らわせていた。と、隣に座ったN教授の視線が、きれいに並べられたテーブルウエアに釘付けになり、凍りついている。

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