舘野泉さんは、日本とフィンランドを「二つの祖国」として演奏活動するピアニストです。その彼が、2002年の1月、フィンランドのタンペレ市でのリサイタルが終わり、聴衆にお辞儀をして数歩歩いたところでステージ上に崩れ落ちました。脳出血でした。出血部が手術適応のない部位ということで、保存的治療を受け、リハビリテーションに努めましたが、右片麻痺の後遺症が残りました。60歳代半ばの芸術家にとっては、芸術表現の手段を奪われた苦悩の日々です。

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