警察医として時々、餓死や自殺の現場に呼ばれることがあります。どこの現場も言葉では言い尽くせないほどの悲惨な状況です。何度経験しても慣れることはありません。遺体のある家へ入るときに先に到着していた検察官から「先生、床が汚いので靴履いたままでいいですよ」と言われることも多いです。いくら汚くても、人の家に上がるときに靴を履いたままはなかろうと思い、靴を脱ぐようにしていますが、確かに汚い。畳は砂やほこりにまみれており、靴の跡がくっきりと付いてしまいます。

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