いまや癌はめずらしい病気ではなくなった。医学の進歩によって、完治して長生きする人、再発を繰り返しながらも生き続ける人が増えている。また、治療法が変わったことで、入院せずに通院しながら治療を継続できるようになった。つまり、がんになった多くの人が、通常の生活を続けながらがんと共に暮らすようになっている。

 しかし、日本の社会では、がんと共に生きることや働くことが“普通のこと”として浸透している状況とは決していえない。家族やごく親しい人以外に癌であることを打ち明けることが少ないのが現状だ。

 がんと共に生きるということ、働くということが実際にどういうことなのか。同書では、患者本人、家族、職場、医療機関、地域―といったがんに関わるさまざまな立場の当事者が、がんについてどう考え、どう行動して、どう折り合いをつけているのかを紹介している。

 さらに、がん診断後に患者本人がどのように受け止め、行動すればよいのかについて解説しているほか、がんと関わる当事者らによる座談会の様子もまとめた。

 「わたしも、がんでした。」そう気軽に打ち明けられる社会になってほしいという願いを込め、国立がん研究センターがん対策情報センターがまとめた1冊。



■Amazonで購入


国立がん研究センター がん対策情報センター編 1260円 日経BP社
ISBN9784822274252 四六判 288ページ