『グッド・ウィル・ハンティング』
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マット・デイモン、ロビン・ウィリアムズ、ベン・アフレック、ミニー・ドライヴァー、ステラン・スカルスゲールド
公開年:1997年
時間:129分
発売元:松竹富士/東芝

 親からの虐待で命を落とす子どものニュースを見るたびに心が痛む。生き延びたとしても、心に負った傷はどれほどのものだろう。大人になってから犯罪に手を染めたりしなければいいのだが、と思う。

 『グッド・ウィル・ハンティング』は、今ではハリウッドの大スター、マット・デイモン若き日の代表作である。本作品ではチャキー役のベン・アフレックと共にオリジナルの脚本も手掛け、1998年のアカデミー賞最優秀脚本賞を受賞している。

 マサチューセッツ工科大学で清掃員のバイトをしているウィル・ハンティング(マット・デイモン)は親友のチャッキー、モーガン(キャセイ・アフレック)、ビリー(コール・ハウザー)たちとつるんで遊び、たびたび警察沙汰を起こしている。しかし彼は数学の天才だった。ある日の清掃中、ウィルは学内の掲示板に書かれた数学の問題をこっそり解いてしまう。出題したランボー教授(ステラン・スカルスゲールド)はその事実を知り、傷害事件を起こしたウィルの身柄をあずかる。条件は週2回の研究室での勉強と週1回セラピーを受けること。実はウィルは孤児で幼児期に受けた虐待により複雑性PTSDを発症、自分の心の痛みはおろか、他人の痛みさえ感じられない人間に成長していたのだ。

 数学の能力には並々ならぬ才能を見せるウィルだが、セラピーには非協力的で一流セラピストたちをいいようにあしらい、彼らはさじを投げる。最後の手段としてランボーは、大学時代のルームメートで最愛の妻を亡くして消沈している精神分析医のショーン・マクガイア(ロビン・ウィリアムズ)にウィルのカウンセリングを依頼する。しかし、逆にウィルは辛辣な言葉でショーンを分析、亡き妻も侮辱したことでショーンを怒らせ、部屋から追い出されてしまう。深く考え込んだショーンは、翌週あらためてウィルと会い、公園のベンチでウィルの人生に何が欠けているのかを諄々と説く。

 やがてウィルはハーバード大学の女子学生スカイラー(ミニー・ドライヴァー)と恋に落ちる。しかし自分の生い立ちや心の傷についてはどうしても言い出せず、西海岸へ向かうスカイラーとは別れてしまう。恋愛を放棄し、進路も決められず、セラピーまでもすっぽかして元の自堕落な生活に戻るウィル。そんなウィルに友人チャッキーは「才能のあるお前が、もしずっとこの町にいたら、俺はお前を殺す」と忠告する。仲間たちはウィルを愛し、行く末を心配していたのだ。

 カウンセリングを再開したウィルは、ショーンから自らの虐待の過去を告白される。彼もまた同じように、親の虐待から生き延びた人間だったのだ。「君が悪いんじゃない」と優しく言い続けるショーンに、ようやくウィルは心を開き、涙を流して子どもの頃の出来事を告白するのだった。

 心に大きな傷を持つウィルと真正面から対峙し、彼の心を解き放とうと力を尽くす精神科医ショーンを『パッチ・アダムス』でも医学生を演じたロビン・ウィリアムズが好演、本作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞している。 

column
脚本はウィルを演じたマット・デイモン。当時まだ無名でハーバード大学在学中だったマット・デイモンが1992年、シナリオ執筆の授業のために執筆した戯曲が元となっている。2年後に第一稿が完成し映画化権も売れたが、完成までにさらに3年余りを要した。


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