東海大医学部付属八王子病院泌尿器科講師 小路直氏●しょうじ すなお氏 1977年東京生まれ。2002年東京医大卒。聖路加国際病院での研修を経て、08年に東海大大学院医学研究科修了後、同泌尿器科学助教。09年から東京薬科大薬学部客員研究員。10年から現職。(2011年10月現在)

─本書を執筆するきっかけは。
【小路】高齢化に伴い、多くの患者が泌尿器科疾患に伴う症状を主訴にかかりつけ医や総合診療医を受診するようになりました。地域の医師から、そうした患者の紹介を受けることも少なくありません。

 そこで2年ほど前から、泌尿器科を専門としない地域の医師を対象に、泌尿器科疾患の勉強会を開いています。この会は思いのほか好評で、地域の医師と直接話す機会が増えたことにより、周辺の医療機関との連携も以前よりスムーズになりました。

 同時に勉強会を通じて、地域の医師が、泌尿器科疾患を疑わせる患者の紹介のタイミングやフォローの仕方について、疑問や不安を抱いていることを知りました。専門医として、泌尿器科関連の医療情報を専門外の医師に伝えることも重要ではないかと考え、本書を執筆しました。

総合診療医のための泌尿器科プライマリケアハンドブック
小路直著 2100円(税込み) ライフ・サイエンス ISBN978-4-89-801378-6 B6変型判、99ページ

─ 泌尿器科疾患の診断や治療のエッセンスが分かりやすくまとめてあります。
【小路】総合診療に携わる医師を読者として想定しているため、患者の症状からどのような疾患が疑われるかなどを中心に執筆しました。個別の疾患の解説に加え、私が実際に紹介を受け、治療に携わった典型的な症例を提示。併せて症例ごとに、総合診療医による診断や治療の内容、泌尿器科医への適切な紹介のタイミングを具体的に解説しました。

 排尿障害を持つ患者へ薬を投与する際に必要な注意事項や、尿路感染症患者への適切な抗菌薬の使い方などは、日常診療にすぐに役立つのではないでしょうか。該当する症状から疑われる疾患を逆引きできるよう、症状
別の目次を盛り込む工夫もしました。

─ カテーテルトラブルについても対処法がまとめてあります。
【小路】カテーテルが抜けない、入らないといったトラブルで救急搬送される患者は少なくなく、泌尿器科医による対応が求められることがほとんどです。ただ、尿閉などの緊急時に専門医がいない場合、他科の医師が実施できる対処法についても解説しました。高齢患者が多い慢性期病院の医師にも役立つのではないかと思います。(聞き手:久保田 文)

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