藤田保健衛生大総合救急内科教授 山中克郎氏●やまなか かつお氏 1985年、名大卒。国立名古屋病院、米国カリフォルニア大サンフランシスコ校、名古屋医療センターなどを経て、2006年に藤田保健衛生大着任。10年より現職。(2012年5月現在)

─そもそもSnap Diagnosis とは何ですか。
【山中】ベテラン医師は、病歴や身体所見を基に、一瞬で診断をつけることがあるでしょう。これは、重要なキーワードの組み合わせと診断名をパターンとして認識しているからできるのです。本書では、このパターン認識による診断をSnap Diagnosisと呼んでいます。すなわち、ピンと来て、パチンと指を鳴らすように迅速に診断することです。

 救急の現場で遭遇する症例の全てがパターン認識で診断できるというわけではありません。不明熱や急性腹症など鑑別の難しい疾患にはこのやり方は向かず、問診が重要となります。ただし、1〜2割程度の患者の診断ではこの方法はとても有用です。パターン認識を学ぶことで、以前は診断をつけるまでに色々と試行錯誤していた患者の病名が一瞬で分かるようになるはずです。

 本書では、このパターン認識による一発診断が可能な疾患を99症例集めました。本当は症例数をもっと多くしようと思っていたのですが、99はキューキュー(救急)とも読めるので、あえて99症例に絞りました。ダ・ヴィンチの言葉、「単純であることは究極の洗練である」を味わってもらえたらと思っています。

ダ・ヴィンチのカルテ Snap Diagnosisを鍛える99症例
山中克郎、佐藤泰吾編著 2940円(税込み) シービーアール ISBN978-4-902470-77-2 B5判、203ページ

─日経メディカルの人気コラム「日経メディクイズ」にも似た構成ですね。
【山中】出題ページに病歴や身体所見を提示し、解説ページに最終診断の内容、一発診断のために必要なパターン認識の方法を解説しています。私の独断で症例ごとに難易度のレベルも示しました。腕試しのつもりでクイズに挑んでもらえればと思います。

 美術書のように美しい書籍にしたくて、症例の写真を多用し、加えて、医師であり写真家でもある小寺郁哉氏の風景写真とコメントも掲載しています。

─どのような読者に読んでほしいですか。
【山中】主に医学生や研修医を想定していますが、救急の専門医以外の先生方にも読んでほしいですね。パター
ン認識を診断に活用する方法を意識して鍛えることで、ベテラン専門医のように洗練された診断が可能になるは
ずです。また、無駄な検査もなくなるでしょう。 (聞き手:小板橋 律子)


セブンネットショッピング