デンマークの住民を対象とした大規模なケースコントロール研究から、インクレチン関連薬投与に伴う急性膵炎のリスク上昇は認められなかったと、同国・Aarhus University HospitalのReimar W.Thomsen氏らが報告した。

 同氏らは、急性膵炎との診断で05〜12年に初回入院した患者群(1万2868例)と、性・年齢、居住地などを合わせた対照群(12万8680例)を設定し、糖尿病治療薬投与との関係を検証した。その際、胆石の既往、アルコール大量摂取、肥満、ステロイドの使用、非ステロイド性抗炎症薬の使用など、急性膵炎の危険因子で補正した。

 インクレチン関連薬の投与歴は、急性膵炎群の89例(0.69%)、対照群の684例(0.53%)で認められた。インスリンを含む糖尿病治療薬が投与されたことがない人を基準とした補正後の急性膵炎発症のオッズ比は、インクレチン関連薬を含む全ての糖尿病治療薬が投与されていた人で1.05(95%CI 0.98-1.13)、インクレチン関連薬が投与されていた人で0.95(同0.75-1.21)、DPP-4阻害薬が投与されていた人で1.04(0.80-1.37)、GLP-1受容体作動薬が投与されていた人で0.82(0.54-1.23)となり、いずれも有意なリスク上昇を認めなかった。

 それぞれについて、過去に投与されていた人、現在投与されている人で層別した解析でも、有意な関連は認められなかった。

 「用いたデータベースは大規模な国家的なもので悉皆性が高く、選択バイアスなどは限定的と考えられる。本検討でもインクレチン関連薬による有意な急性膵炎のリスク上昇は観察できなかった。この結果は最近報告されたランダム化比較試験のメタ解析や10報に及ぶ観察研究の結果と一致している」とThomsen氏は結論した。