週1回投与型のジペプチジルペプチダーゼ(DPP)-4阻害薬、トレラグリプチン(開発コードSYR-472)の国内第3相臨床試験の結果を、川崎医科大学の加来浩平氏が発表した。

 対象は、食事療法および運動療法では効果が不十分なT2DM患者。登録患者を8週のスクリーニング期間後に、トレラグリプチン群(100mg/週1回、102例)、アログリプチン群(25mg/日、92例)、プラセボ群(51例)にランダムに割り付け、24週間追跡した。

 主要評価項目は、ベースラインからのHbA1cの変化量とし、安全性については有害事象、バイタルサイン、12誘導心電図、血液生化学検査値などを評価した。

 患者の背景因子は、年齢58.9歳(男性76.1%)、体重68.1kg、BMI25.0、HbA1c7.8%、空腹時血糖162.6mg/dLなどだった。

 HbA1cのベースラインからの変化量はトレラグリプチン群が−0.32%、アログリプチン群が−0.46%、プラセボ群が+0.24%で、プラセボ群に対して実薬が投与された2群では、有意なHbA1cの低下を認めた(どちらもP<0.0001)。

 また、最小二乗平均の差(トレラグリプチン群−アログリプチン群)は0.11%(95%CI−0.054〜0.281%)となり、アログリプチン群に対するトレラグリプチン群の非劣性が認められた(マージン0.40%)。

 24週にわたるDPP-4活性の阻害率については、トレラグリプチン群とアログリプチン群で差はなかった。

 安全性については、全ての有害事象がトレラグリプチン群67例(66.3%)、アログリプチン群57例(62.0%)、プラセボ群32例(64.0%)、薬剤と関連した有害事象がそれぞれ5例(5.0%)、7例(7.6%)、3例(6.0%)、投与中止に至ったものが6例(5.9%)、1例(1.1%)、1例(2.0%)だった。

 加来氏は、「トレラグリプチンの作用はアログリプチンに対して非劣性であり、忍容性も良好だった。1週間に1回の投与で済む本剤による治療は、T2 DM治療の選択肢の1つになる」と結論。実臨床での位置付けについて、「服用回数が少なくて済むことから、併用薬剤がない早期の糖尿病患者などでメリットが大きいだろう」と述べた。

 本薬剤は14年3月、武田薬品工業が厚生労働省に製造承認を申請しており、今年度中の承認が見込まれている。