ナトリウムグルコース共輸送担体(SGLT)2阻害薬エンパグリフロジンを日本人T2DM患者に単独投与した際の血糖変動について、CGMなどで評価した結果を東京慈恵会医科大学の西村理明氏らが報告した。CGMを行った24時間中、70mg/dL未満だった時間は全体の1%以下と、SGLT2阻害薬単独投与では低血糖はほとんど発生していなかった。

 本検討は第3b相試験として行われた。対象は経口血糖降下薬未使用または1剤のみの成人T2DM患者。経口血糖降下薬が投与されていた患者は、2週間のwash outを行った。まず被験者にプラセボを2週間投与し、その後エンパグリフロジン10mg/日群(20例)、同25mg/日群(19例)、プラセボ群(21例)にランダムに割り付け、28日間追跡した。

 3群の患者背景は年齢61〜65歳、男性比率70〜84%、HbA1c7.7〜8.0%、BMI24〜25などだった。

 主要評価項目は、朝食負荷試験後3時間の血糖値の曲線下面積(AUC1-4h)の変化量とし、副次評価項目としてCGMによる評価を行った。

 AUC1-4hのベースラインからの変化量は、10mg/日群が−103.6mg・h/dL、25mg/日群が−122.9mg・h/dL、プラセボ群が−18.1mg・h/dLとなり、10mg/日群、25mg/日群ともプラセボ群に比べて有意に減少していた(どちらもP<0.01)。

 追跡終了時に行ったCGMで、血糖値が低血糖域(70mg/dL未満)、至適血糖域(70〜180mg/dL)、高血糖域(180mg/dL以上)にあった時間の割合を見たところ、10mg/日群ではそれぞれ0.3%、77.0%、22.8%、25mg/日群では0%、81.1%、19.0%、プラセボ群で0.2%、59.4%、40.4%となった。

 10mg/日群、25mg/日群において、高血糖域にあった時間はプラセボ群に比べて有意に短く(どちらもP<0.01)、低血糖域にあった時間はプラセボ群に比べ増加していなかった。

 また朝食負荷試験後3時間の血中インスリン濃度の曲線下面積も、25mg/日群ではプラセボ群に比べ有意に減少していた(P=0.015)。

 西村氏は「エンパグリフロジン投与により、インスリン分泌を亢進させることなく食後高血糖が抑制された。またCGMからは、低血糖を起こさずに高血糖が是正されていることが示された。SGLT2阻害薬は単独投与ならば、低血糖を起こしにくい薬剤と考えられる」と話している。