血糖値表示ポンプは承認済み
 日本で現在使用されているインスリンポンプには、CGMでの測定値をリアルタイムで表示する機能はなく、基礎インスリンの注入量は、事前に測定したデータを基に決めている。しかし海外では既に、CGMの測定値をリアルタイムでインスリンポンプにワイヤレスで送信し表示できる機種が発売されている(日本では承認済みだが発売時期は未定、図5)。

図5●リアルタイムCGM連動インスリンポンプシステムの構成
センサーで測定した血糖値データがワイヤレスにポンプへ送信され、その値がポンプの画面に表示される。

 リアルタイムに血糖値を確認できると、血糖コントロールは改善することが報告されている。1型糖尿病患者153例を血糖値の「表示あり→表示なし」「表示なし→表示あり」の2群に無作為に割り付け、HbA1c値の変化を見たところ、いずれの群も血糖値が表示されていると低下し、表示がないと上昇した(図6)。新しいインスリンポンプが使用できるようになれば、血糖コントロールが今以上に向上する可能性がある。さらに、高血糖や低血糖になりそうであればアラームを発する機能なども付いている。

図6●CGMの血糖値表示が血糖コントロールにもたらす影響

 また、血糖自己測定(SMBG)の回数が減ることもメリットになる。現行のインスリンポンプを使用している場合、血糖値を把握するために1日に4〜5回SMBGを行う必要があるが、新しいシステムだとCGMの測定値を補正するための2〜3回で済む。

 なお、CGMが測定しているのは組織間質液中のグルコース濃度であるため、血糖値との間に約15分のタイムラグがあるが、川村氏は「実用上はほとんど問題は起きないだろう」と言う。

 「日本でCSII療法が普及していないのは、医師がその有用性を十分に理解していないことが理由の1つ。同療法が日本に導入された頃とは状況が全く異なる。1型糖尿病に限らず2型糖尿病でも1日に3〜4回インスリン注射をしているのであれば、CSII療法の導入を検討してほしい」と川村氏は訴える。