2002年以降に増加してきた理由として、「注入回路の穿刺後に金属の針が抜けて、柔らかいチューブだけが皮下に留置される留置針タイプが登場したことが大きい」(川村氏)。以前の翼状針タイプは金属の針が刺さったまま生活する必要があるだけでなく、毎日交換しなければならなかったが、留置針タイプだと基本的に3日に1回の交換で済むようになった。その他、超速効型インスリンの登場、インスリンポンプの機能の大幅な向上なども寄与している。

 CSII療法では食事や運動の状況に応じてボタン操作が求められるが、「ペン型注射と同じように、5歳くらいから自分で操作できる」と川村氏は説明する。同科における年齢層別のCSII療法の実施率を見ると、年少児ほど普及している(図4)。6歳以下では、ほとんどがCSII療法だ。

図4●年齢層別に見たインスリン注射回数
(大阪市立大学医学部附属病院小児科における2013年5月時点の実績)

 追加インスリン投与量の調整幅は、ペン型注射だと0.5単位刻みだが、ポンプだと0.1単位刻みで微細に調整できるので、体の小さい小児ではインスリンポンプの方が使いやすいといえる。

 このように数多くのメリットを持つが、デメリットとしては、刺入部での感染リスクがある、閉塞が発生するとインスリンの吸収障害を起こしケトアシドーシスに至る可能性がある、成人だとMDI療法に比べ自己負担額が高い─ことなどが挙げられる。