0点は脳梗塞の真の低リスク群に
 図1はCHADS2スコア、mCHA2DS2-VAScスコアのそれぞれで評価した場合の患者の分布を示したものだ。

図1●心房細動患者の分布
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 CHADS2スコアでは、0点と1点の患者を合わせると半数を占めていたが、mCHA2DS2-VAScスコアで評価すると22%に減少した。奥村氏は「この違いは、mCHA2DS2-VAScスコアが低リスク群の層別化により適していることを示している」と話す。

 次に、各スコアの点数別にワルファリン群と非ワルファリン群の脳梗塞発症率(%/年)を調べ、ワルファリン治療の脳梗塞発症抑制効果について検討した。非ワルファリン群に対するワルファリン群のオッズ比(OR)は、CHADS2スコアの1点が0.39(P=0.01)、2点以上が0.43(P=0.002)と、いずれも有意に減少し、0点でも0.24(P=0.06)と有意にはならなかったものの減少傾向が見られた。

 一方、mCHA2DS2-VAScスコアでは、1点のORは0.25(P=0.05)、2点以上では0.45(P=0.0005)と、ほぼ有意か有意に減少したが、0点では統計的に有意な減少は見られなかった。この結果について奥村氏は、「mCHA2DS2-VAScスコアが0点の患者は、ワルファリン治療を行っても効果が得られないことが示された。つまり真の低リスク群だと言い換えることができる」と説明する。

 mCHA2DS2-VAScスコアでは、「女性」が1点のリスクとなっている。しかし、J-RHYTHM Registryのサブ解析で既に、日本人で「女性」は単独のリスクにはならないとの結果が示されている。そこで今回、mCHA2DS2-VAScスコアから「女性」を除外し、女性の1点をマイナスして解析を行ったが結果は変わらず、日本人では「女性」はリスクではないことが改めて示唆されたという。