手術時年齢(中央値)は、前期群33歳、中期群36歳、後期群44歳と高齢化していた(前期群と後期群間でP<0.01)。図6は、3群の手術時年齢の分布を示したものだ。前期群のピークは20歳代、中期群のピークは30歳代、後期群のピークは40歳代にあり、手術時年齢のピークは高年齢に移行している。こうした状況について池内氏は、「病悩期間はいずれも70カ月前後で大きく変化していないので、発症年齢も高齢化している可能性がある」とコメントする。

 高齢の場合、緊急手術の予後は良好ではなく、手術死亡率も約5%と高いという。「高齢者の場合、強力な内科的治療へのスイッチは行わず早めに手術を検討してほしい」と池内氏は訴える。

 また、手術の適応について、重症・劇症例、難治例、癌/dysplasiaの3つに分けたところ、癌/dysplasiaの割合が、前期群3.0%、中期群10.3%、後期群17.5%と次第に増加していた(前期群と後期群間でP<0.01)。

 最近のデータでは、癌/dysplasiaの適応で手術となった症例数は、2011年は75例中15例(20.0%)、12年は91例中19例(20.9%)と、いずれも約2割を占めていた。

 これらの結果について池内氏は、「生物学的製剤が加わり内科的治療の選択肢が広がったことで、病勢をコントロールできるようになり、難治例は減っている。しかし、完治するわけではないため、慢性的に少しでも炎症が続けば、癌合併のリスクは緩やかに高まると考えられる」と説明する。

 癌を早期に見つけるためには、内視鏡によるサーベイランスが不可欠だ。池内氏は、癌合併症例をサーベイランスなし群とサーベイランスあり群に分けて分析したところ、前者では59例中24例がステージ0・Iで、35例がステージII以上だった。これに対して後者では63例中47例がステージ0・Iで、16例がステーII以上だった。

 池内氏は、「発症後10年以降は、年に1度の内視鏡検査を行うことで、できるだけ早期に癌を見つけるように努力することが重要だろう」と話している。