学会の特徴を明確に示すべき
──10周年の特別企画のセッションが幾つか設けられていました。

竹之下 「消化管学10年の歩みと今後の展望」は、消化管学がどのように進歩し、今後どのように発展させていくべきかを外科、内科の両面からエキスパートの先生に語っていただきました。また、「日本消化管学会のありかた〜これまでの10年とこれからの10年〜」で、若手の先生方に壇上から意見を求めたところ、学会の方向性に関して示唆に富む発言が得られました。日本消化管学会は他の消化器系の学会と比べ若い学会ですので、特徴を打ち出していかないと差別化が図れません。

──プログラムの特徴は、どういったものだったのでしょうか。

竹之下 やはり代表的なのはコアシンポジウムでしょう。学会の委員会で定めた重要なテーマを5年間にわたり取り上げ、継続的に議論するというシステムを採用しています。シンポジウムの座長は2人で担当し、そのうち1人は翌年も担当することで、前年の討論内容を反映させ継続性を担保しています。今年は、「消化管悪性腫瘍の診断と治療戦略」「炎症性腸疾患」「機能性消化管疾患」「内視鏡診断・治療の進歩」という4つのテーマの最終年でした。

 コアシンポジウムやワークショップの座長は基本的に内科と外科で担当し、境界領域の内容を積極的に取り上げていただきました。また、病理の症例検討セッションを今回初めて設けました。実臨床においては、内科、外科だけでなく、病理との連携も重要だからです。

 今回は福島県での開催ということで、福島原発事故と健康リスク管理について、福島県立医科大学副学長の山下俊一先生に現場の様子や復興の現状をお話しいただきました。参加された先生も聞きたかった内容でしょうし、印象的な話題がふんだんに盛り込まれていたと思います。

 前回の学会で好評を博した「消化管“王”決定戦」を引き続き行いました。大雪の影響で一部のチームが参加をキャンセルせざるを得なかったのですが、今年も非常に盛り上がり、最終日の午後にもかかわらず会場に参加者が数多く集まりました。

──学会期間中、福島市は大雪に見舞われました。

竹之下 福島市であんなに雪が積もったのは珍しいことです。飛行機も新幹線もかなり運休したり遅延したため、プログラムを一部変更するなどの対応に追われました。

 今回の大雪への対処にも通じますが、突然のトラブルにどのように対応していくかが医師に求められる能力であり、力量が問われます。医療はもともと理不尽なもので、想定通りには進まないものです。ベストを尽くしても結果が悪ければ患者さんに満足していただけないこともありますが、それを引きずることなく気持ちをさっと切り替えられることも大切だと考えています。